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大江英樹「おとなのマネー学・ライフ学」

結局、年金運用はリスクを取るべきか取らざるべきか? の前に知っておくべき最重要点

文=大江英樹/オフィス・リベルタス代表

 企業からすれば、当然こうした運用のプレッシャーからなんとか逃れたいと思うのは当然です。退職金や年金の積立金を管理・運用するのが大変だからということで退職金制度そのものを廃止し、給料に上乗せする「退職金前払い制度」の導入や、積み立てるお金は会社が出すけれどもその運用は従業員個々人に委ねる制度である「確定拠出年金」が拡大している背景には、こういう事情もあるのです。

 このように、公的年金と企業年金を混同して考えてはいけません。そもそもの制度の成り立ちや問題の本質が、まったく異なるからです。テレビや新聞のニュースで年金という言葉が出てきたとき、それは一体どちらの年金のことなのかをまず整理することが大切です。
(文=大江英樹/オフィス・リベルタス代表)

大江英樹/経済コラムニスト

大江英樹/経済コラムニスト

1952年、大阪府生まれ。野村證券で個人資産運用業務や企業年金制度のコンサルティングなどに従事した後、2012年にオフィス・リベルタス設立。日本証券アナリスト協会検定会員、行動経済学会会員。資産運用やライフプラニング、行動経済学に関する講演・研修・執筆活動を行っている。『定年楽園』(きんざい)『その損の9割は避けられる』(三笠書房)『投資賢者の心理学』(日本経済新聞出版社)など著書多数。
株式会社オフィス・リベルタス

Twitter:@officelibertas

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