ちなみに、このREINSで「“訳あり”物件」を探すことができる。“訳あり”物件は、告知義務があるために、備考欄に「告知」とあったりする。ある業者で、告知とある物件を探してもらったら、前出の中野区内の駅近物件はなかった。ということは、その部屋は、架空の物件の可能性があるということだ。
自分で「“訳あり”物件」を探す方法もある。「大島てる」という事故物件公示サイトだ。自殺や孤独死、刺殺、火災などにより、過去に居住者が死亡した物件を地図上に表示している。また安い理由は「“訳あり”」とは限らない。例えば、オーナーの意向で、定期借家契約が前提になっていることがある。一定の期間を過ぎると、更新ができない物件だ。さらには、ハザードマップで洪水時の浸水エリアは家賃が低めに設定されている。
また、インターネットの不動産サイトには、すでに成約してしまった物件情報も多い。理由としては、サイトに掲載されている情報がリアルタイムではないことだ。そのため、1日前に成約済みの物件も載っている。
新宿区内で2Kの6万円台の物件が掲載されていたが、この物件を探してもらったところ、1年前に成約されていた。こうしたケースは、インターネット掲載の物件だけではない。店頭にある物件も空室ではないことがあったりする。なぜこうしたことが起きるのかといえば、「おとり物件」で、店に来てほしい、という意図があるのだ。
ある不動産屋では、店頭に出ている物件を問い合わせただけなのに「いま、空いているかどうかの確認をとります」と言うのはいいが、空いていないとなると、必要もないのに「似た物件を探す」と言われ、時間を取られてしまった。店頭にあった物件情報は架空だった可能性もある。
●地元密着型不動産屋も狙い目
地元の不動産屋で探す方法もある。彼らは、「REINS」に載せる前の情報を持っている。しかもすべてをそのサイトに載せているわけではない。そのため、相場を理解し、住みたい街が決まったものの、物件がなかなか見つからない場合は、地元密着型の不動産屋で探すのもいい。
こうした問題をクリアした場合、私のような自営業者は、給与所得者と比較すると信用がない。納税証明書か課税証明書があればよいと言う大家さんもいるが、自営業者では審査が通らない場合もある。そこで不動産屋がやる“裏技”としては、架空の会社を作り、収入証明を作る、というケースもあるとか。
審査が通ったら成約となるが、単純にお金を支払うだけではではなく、ポイントがつくケースがある。不動産チェーンでは、仲介手数料分に限り「Tポイント」をためることができる。アパマンでは「Ponta部屋」があり、毎月の家賃でのポイントか、成約ポイントがついてくる。
また、初期費用をカード払いできる場合もあり、マイルなどのポイントをためることができる。家賃のカード払いができればポイントがたまり続けるが、その場合、手数料をとられることがあり、ポイントはとられるが、割高になることがあるので注意が必要だ。
(文=渋井哲也/フリーライター)