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山崎俊輔「発想の逆転でお金に強くなる『お金のトリセツ』」

投資の知識乏しい人でも確実に資産形成できる「つみたてNISA」…こまめな売買不要

文=山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表

 金融機関はつみたてNISAに限らず、金融商品を販売して利益を得るわけですが、利益を得る局面は限られています。たとえば、

・口座管理手数料(基本的には徴収しないケースが多い)
・商品販売時の手数料
・商品保有期間中に得られる運用手数料
・商品売却時に生じる手数料

などです。近年、投資信託の販売を積極的に推進し手数料収入をビジネスの柱と位置づけてきた地方銀行などは、

「高額の投資信託を売る」
「販売手数料や運用手数料(信託報酬)の高い投資信託を売る」
「手頃なところで売却を促し、また新たに投資信託を購入してもらう」

という3つの方法で手数料が多く入る仕組みをつくり、定年退職者などの高齢者にリスク商品の販売をしてきました。

 この3つの方法をもっとわかりやすく言い換えてみれば、

「1時間セールストークして10万円ではなく200万円買ってもらったほうが売り上げが20倍になる」
「同じ100万円売るなら、販売手数料0%で運用手数料年0.5%の投資信託よりも、販売手数料3%で運用手数料2.0%の投資信託を買ってもらえば、1年間で約10倍儲かる」
「同じ投資信託を持ち続けてもらうよりも、売ってまた買ってもらえば販売手数料がまた手に入る」

ということです。

 ところがつみたてNISAは、この「3つの方法」を封じる仕組みになっています。制度の仕組みとして、

「年40万円までしか販売することができない」
「販売手数料はゼロ、信託報酬も低い投資信託しか販売できない」
「20年の非課税投資期間があるものの一度売ってしまうと税制優遇は終了してしまうので、回転売買が提案できない」

という具合になっているからです。

 あなたがもし「売る側」の立場にいたら、どうでしょうか。「お客様第一主義」と看板に書いてあったとしても自分たちの利益抜きには商売は成り立たないわけですし、つみたてNISAはあまり本気を出して売ろうとは思わないのではないでしょうか。つみたてNISAの口座数があまりにも少ない「本音の理由」が透けて見えるような気がしませんか?

金融機関が嫌がる商品は、あなたにとっては「いい商品」

 お金のルールをいくつかアドバイスするとき、絶対に考えるべきは「相手の立場になって考えてみる」ことです。売り手は、あなたから「いつ」「どれくらい」儲けを出すことができるのか、ビジネスの構図を頭に入れておかないといけません。でないと、自分がカモにされているのか、本当に顧客本位の提案がされているのか判断がつかないからです。

山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表

山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表

1972年生まれ。中央大学法律学部法律学科卒業。企業年金研究所、FP総研を経て独立。個人の資産運用や老後資産形成のアドバイスが得意分野。日経新聞電子版やYahoo!ニュースなど多数連載を持つ。月間PVは200万以上。
フィナンシャル・ウィズダム代表 ファイナンシャルプランナー
financialwisdom

Twitter:@yam_syun

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