今後、地震保険の保険料は値上げ連発…年内に契約がお勧め、家財が補償対象か要注意
保険期間を最長の5年にする
地震保険の保険期間は最長5年です。すでに地震保険に加入している人は、いま火災保険とあわせて加入している地震保険の保険期間を確認してみましょう。火災保険は長期の契約になっていても、地震保険の保険期間は1年で毎年更新となっている人も意外と多いようです。年内に地震保険の保険期間を5年に変更すれば、5年間は現在の保険料のままで値上げの影響を受けないで済みます。また、いままで加入しておらず年内に加入する人は、ぜひ保険期間5年で加入することをお勧めします。
家財の補償も確保する
火災保険で家財を補償の対象にせずに加入している人も案外多いのですが、そうした人は新たに家財を対象として火災保険に加入し、地震保険もあわせて加入するのもひとつの選択肢です。
火災や水災、あるいは竜巻などが発生すれば、建物だけではなく家財も大きな損害を被る可能性があります。また、マンションの上層階などでは、地震による大きな揺れにより、家財だけ大きな損害を受け地震保険金支払いの対象になったという事例も報告されています。
実は、損害保険各社が火災保険料決定の参考としている「参考純率」を、住宅向けで平均5.5%引き上げると損害保険料率算出機構が発表しており(※5)、各社はそれを踏まえて値上げ幅を検討し、2019年にも住宅用火災保険の値上げに踏み切る見通しです。
火災保険に加入していても家財を補償の対象としていない人は、年内に家財を対象とした火災保険の追加加入を検討し、あわせて地震保険の加入も検討するとよいでしょう。また、年内にあらたに火災保険・地震保険に加入する人は、建物だけでなく家財も対象に加えることをお勧めします。
ここまでご紹介してきた、地震保険に入っている人もいない人も年内に確認すべき3つのポイントについて、大地震への備えのひとつとして、すぐにご確認いただければ嬉しく思います。
大阪府北部地震で亡くなられた方には、ご冥福をお祈りします。また、被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
※1:政府 地震調査研究推進本部 ウェブサイト「全国地震動予測地図2018年版」より
※2:産経WEST ウェブサイト 2018年6月28日記事『住宅被害1万6千棟超 近畿の4府県』より
※3:損害保険料率算出機構「損害保険料率算出機構統計集」(2016年度版)より
※4:損害保険料率算出機構 ニュースリリース「地震保険基準料率の届出について」(2017年6月15日)
※5:損害保険料率算出機構 資料「火災保険参考純率改定のご案内」(2018年6月15日)
(文=平野雅章/横浜FP事務所代表、CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士)