夏のボーナスが消えてしまわないために、今すぐやるべきこと…資産が増える第一歩
(2)定期預金を1万円以上組む
次にやることは、残ったボーナスのうち、1万円もしくは2万円を使って、給与振込口座に「定期預金」を組むことです。
年に数回、残高不足でクレジットカードや公共料金の引き落としミスをしたことはありませんか。これはけっこう深刻な問題で、新しいクレジットカードをつくろうとしたとき審査に落ちることがあります。いわゆるブラックリストに載ってしまったからです(ミスを厳しく評価するかどうかは、カード会社の判断によります)。
このとき、とても簡単な対策は「定期預金」です。定期預金を持っておくと、その金額の約9割までマイナスになってもよいという仕組みがあります。これは当座貸越といいますが、一般的な銀行では自動的についています。
つまり2万円の定期預金を持っておけば、マイナス1.8万円までの残高不足はセーフになりますし、10万円の定期預金をつくっておけば、マイナス9万円までセーフになるわけです。
これで引き落としミスからは卒業できます。もちろん定期預金ですから残高がマイナスになっていない間は利息もつきます。
(3)投資信託を1万円以上買う
最後にやっておきたいのは、投資の経験を積むことです。投資未経験のまま20~30代を終わらせてしまうのは、いかにももったいないことですが、ハードルは「第一歩」です。
そこで、1万円(なんなら1000円でもよい)を軍資金に投資をしてみます。証券口座をつくったほうがいいと思いますが、第一歩だけなら銀行でもかまいません。販売手数料ゼロ(ノーロードという)、信託報酬(運用にかかる手数料のこと)年0.5%以下という条件さえクリアできれば、自分が投資してみたい商品を選べばいいでしょう。つみたてNISAの対象商品から選ぶと、この条件はクリアできます(つみたてNISA口座をつくらなくても買うことができる)。
日本株で勝負したければ日本株で投資する投資信託を、世界中の株で増やしてみたければ世界中の株式に投資する投資信託があります。多くの場合、最低購入単価は100~1000円程度に下がっていますので、たった1万円で投資デビューは可能です。むしろ金額が小さい分、たとえ損をしても「ま、しょうがないか」と諦めがつくのではないでしょうか。うまくいけば定期預金の金利など比べものにならない利回りを得られます。
投資は「ちょっと儲けた経験」「ちょっと損をした経験」、そして「ちょっとマイナスになったけど売らずに我慢したらプラスに戻った経験」を若いうちにしておくと経験値がまったく違ってきます。ぜひチャレンジしてみてください。
冬のボーナスのときはもう少し計画的に備えておこう
さて「ちょっとだけ残っていたボーナスの使い道」を考えてみましたが、次の冬ボーナスのときには、もう少し計画的にやりたいところです。
ボーナス支給金額が決まったら、貯蓄や投資目的に一定額を振り向けることを早めに決めておき、支給日からすぐ、どんなに遅くとも年内に資金を移動しておきましょう。基本的な手順は「別の口座に移す」「定期預金を組む」「投資をする」でいいでしょう。
ぜひとも支給日すぐにボーナスを移すようにしてみてください。きっとお金に関する姿勢が違ってくるはずです。そしてそれは、「資産形成をする生き方」へ人生が変わっていくということでもあるのです。
(文=山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表)