2011年「全国たばこ喫煙者率調査(速報)」によると、日本人の喫煙率は、男女計で21.7%。高齢化や健康志向の高まり、値上がりなどの理由から、年々減少傾向にあるそうだ。タバコというと、健康に悪いだけではなく、死亡率も高くなってしまう。
死亡保険は、人が死亡すると保険金を支払ってくれるものだが、実は、喫煙の有無や健康状態によって、負担する保険料に2倍以上の開きが生じてしまうことをご存じだろうか? ある意味、「死亡する可能性が高い人からは多めの保険料を払ってもらい、そうでない人はそれなりに」という考え方は、理にかなった方法なのかもしれない。
もともと自動車保険の場合、この考え方を採用していることは、いわば常識となっている。「リスク細分型」といって、事故を起こした人や起こす可能性がある人ほど、保険料を高く設定しているのだ。
死亡保険であっても、喫煙の有無や健康状態によって、保険料に違いを持たせた「リスク細分型」を採用している保険会社が多くなってきている。リスク細分型保険は、被保険者のリスクを細かく設定し、加入者はリスクに応じた保険料を負担するしくみ。健康な人ほど保険料の割引が大きくなる。
つまり、タバコを吸わず、体重や血圧が一定の範囲内に収まっている人の保険料は安くなる半面、タバコを吸っている人などの保険料は、かえって高くなるので注意が必要だ。
禁煙しても喫煙者になっちゃう?
「非喫煙者」として認められるには、現在タバコを吸っていないことはもちろん、過去の一定期間においても、タバコを吸っていないことが条件だ。たとえ、保険に加入する1カ月前に禁煙したとしても、「非喫煙者」としては認められない。なぜなら、自己申告に加えて、確かに吸っていないという証拠として、ニコチン検査が必要となるからだ。
「非喫煙者」として認められる非喫煙の期間は、保険会社によって異なる。メットライフアリコの「スーパー割引定期保険」の場合は2年間、NKSJひまわり生命の「家族のお守り」は、1年間にわたって喫煙していないことが条件となっている。
一方、健康状態はBMIと血圧の値が所定の範囲内に入っていることが求められている。BMIとは、いわゆる肥満度チェックのことで、以下の式のとおり、体重を身長の二乗で割って求めるものだ。
BMI = 体重[kg]/身長[m]の二乗
このBMIが、18より大きく、27より小さい場合は、「肥満ではない」という条件を満たしていることになる。さらに血圧は、最低血圧90mmHg末満、最高血圧140mmHg未満であることが必要だ。