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上で紹介した「会社を継ぐタイミング」の話にも言えることだが、会社を継ぐ者にとって、その一挙手一投足は常に「関係者の目」にさらされ、その行動いかんで親族や古参社員は敵にも味方にもなる。退職金という物差しを使って、「事業を継ぐ側の覚悟」が試されているというわけだ。
現在、自身の経験を生かし、若手後継者たちへの事業承継コンサルティングという活動も自社の経営と並行して行なっている長井氏だが、事業を継ぐ側の悩みは、その大半が父親に関することだという。親だからこそ引退しても経営に干渉してくることもあるだろうし、親が経営していた頃の問題が代替わりしてから表面化することもありえる。親子だからこそ一筋縄ではいかないのだ。
そんな彼が「101のルールのなかで最も重要」なものとして挙げるのは「父との和解」。
幼少期からずっと父親と不仲だった長井氏は、事業承継をして10数年が過ぎたころ、父親が肝臓がんになり余命わずかとなったことがきっかけで和解をした。そのことによってようやく「ほんとうの意味で『事業承継を終えた』と思えた」とも語っている。
事業承継の難しさ、そしてその困難を乗り越えたときに得られる幸福感、本書では事業を受け継ぐことの苦しさと喜びが著者自身の言葉で綴られている。「いずれは家業を継ぐ」という人にとって、これ以上ない教科書になるのではないか。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
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