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カリスマ経営者が無職になって気づいた「仕事と人生で大切なこと」とは?

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 仕事なんか投げ出して、好きなことをして生きてみたい。ビジネスパーソンなら一度はそんなことを考えたことがある人が多いかもしれないが、それを実践するのはなかなか難しい。それが経営者ともなればなおさらだ。

 しかし、飲食業界のカリスマ経営者だった男は、自ら創業した会社をやめて、無職になってまでその選択をした。その人物とは、株式会社ゼットンの創業者で『ハワイに住んでサーフィンしてたら会社やめちゃいました』(WAVE出版刊)の著者、稲本健一氏だ。

 稲本氏は、トライアスロンなどを経営者層に広めたインフルエンサーであり、飲食業界のみならずスポーツ界やファッション界にも影響を与えている人物としても知られているが、創業し20年間続けてきた会社をやめて、自ら無職となった。そして、ハワイに住み、サーフィンを楽しむ生活をしながら、新たな事業に取り組んでいる。

 本書では、そんな稲本氏がこれまでの自分の半生を振り返り、仕事や生活における考え方をまとめた「生き方論」を発信している。

■人生から余計なものを削ぎ落とす「逃げる」という選択肢

 稲本氏の人生はまるでジェットコースターだ。バーデンダー、新卒サラリーマン、デザイナー、フリーター、カフェ経営、上場企業社長、無職。経歴だけを追ってみると波乱万丈のように思えるが、そこにはひとつの信念がある。

 「いやなことはやらない」という考え方だ。

 著者は、昔から「何かをしたい」という強い意志はなく、常に流されてきたと自身を振り返る。そんな生き方の中でも、たったひとつだけはっきりしていたのが「いやなことはやらない」というポリシーだ。

 社会に出れば、「嫌なことでも我慢して続けるのが仕事」「好きなことばかりやれるわけじゃない」という一般的な考え方が固定観念となり、その枠組みから出られなくなる。

 しかし著者は、受験、部活動、就職、サラリーマン生活などにおいていやなことから逃げ続けたからこそ、しがらみや迷い、欲や打算などが人生から削ぎ落されていき、「好きなもの」だけが残ったのだという。そして、「おかげで僕のこれまでの人生、いつどこの時代に戻ってもいいくらい楽しかった」と言い切る。

 ハワイには、海水で身を清めたり、風に当たったりすることで、自分自身や物事がスムーズに動かない原因などを浄化する「ブレッシング」という風習があるという。

 もし、仕事が原因で苦しんでいたり、悩みを抱えていたりするのであれば「ブレッシング」が必要かもしれない。そのためのひとつの方法として「いやなことをやらない」「逃げる」という選択肢を持っておいてもいいのではないだろうか。

■「夢」なんてなくても、「夢のような人生」を選ぶことはできる

 昨今は未来を夢見るには、あまりにも不安な時代だ。普通に生きていくだけでも、世の中からさまざまなストレスが襲ってくるなか、夢なんて到底見られない、という人も少なくないはずだ。

 著者は、そんな「夢」に対する悩みや不安を抱える人に、「夢なんていらない」と語る。なぜなら、著者自身も「夢」がなかった一人だからだ。

 夢に日付を入れる、夢日記をつける、夢に向かって生きる。そんな言葉を見聞きするたびに、自分の夢のなさを責め、夢がないことを不安にも思ったが、結局、夢は見つけられなかったという。

 そのかわりに稲本氏が生きる上で大切にしてきたことは、一生懸命目の前のことに取り組み、一生懸命周りの人と笑い、毎日を大事に生きることだったという。

 自分に関わった人には少しでも幸せになってもらいたいという思いだけは強く、その一心で走り続けた結果、稲本氏は「50歳を機に、自分の人生を振り返ってみたら、夢のような人生が広がっていた」ことに気付いたという。

 夢を持っていなくても、目の前のことを大事にしていけば、その人生はきっと夢のような思い出に溢れたものになるだろう。
(ライター/大村佑介)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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