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土地の無価値化、急速に広がる…所有者不明で荒廃&放置が社会問題化

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 自治体ではそうした相続未登記の土地について、相続人調査を行ってはいるものの、相続未登記のままだとねずみ算式に法定相続人が増えていて、収拾がつかない状態になっていることもあるという。たとえば、新しく道路をつくるために用地買収しようとしても、土地の権利関係が複雑になっていて買収できず、道路が通せないという事例もある。

 相続登記を書き換えてもらうのは多大な時間とコストがかかる。よって、死亡している登記簿名義人の親族か相続人の誰かが税金を納めてくれれば、とりあえず税務担当者としてはOKという部分もある。税収に穴を開けないという意味では、やむを得ない次善の策といえるからだ。しかし、その場合、課税対象は形式上、死亡している人のままということになり、「死亡者課税」ともいうべき状態が続く。

 東京財団では、全国で少なくとも約200万人が死亡者課税になっているものと推測している。これはすなわち、相続未登記の数に直結している。

制度上の不備


 相続未登記は今後も増えると予測している自治体は87%(770自治体)にも上るが、その原因としては第一に、制度上の不備がある。人口減少している地方の場合には、地価の下落で土地が資産価値としての魅力を失い、相続放棄する人が増えている。すでに地方から大都市圏に引っ越したため、相続しても仕方がないという人もいるだろう。また、土地神話が崩壊し、土地に対する考え方が根本的に変わってきていることもある。

 なお、相続人全員が相続放棄すると所有者がいなくなってしまうが、そういう土地の扱いについては、民法に相続財産管理人制度というものがあるものの、費用対効果が見込めずに放置せざるを得ない事例もあるらしい。要するに、資産価値の低い土地は、結局売却先が見つからないということだ。

 いずれにしても、土地の所有者不明化は、社会の大きな変化の中で起きている問題であり、空き家問題と同じように先送りできない問題となっている。
(文=横山渉/ジャーナリスト)

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