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言ってはいけない、弁護士会の闇

文=深笛義也/ライター
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 各都道府県にひとつの弁護士会があるのが原則だが、例外が2つある。ひとつは北海道だ。広大であるため地方裁判所が4つあり、札幌地裁管轄区に札幌弁護士会、釧路地裁管轄区に釧路弁護士会、旭川地裁管轄区に旭川弁護士会、函館地裁管轄区に函館弁護士会がある。

 もうひとつは東京。東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会と3つの弁護士会があり、いずれも東京都全域で弁護活動を行っている。

「東京に3つあるというのは、弁護士会の摩訶不思議な話の序の口です。当初は、東京弁護士会だけだったんです。弁護士会のなかで、会長、副会長、評議員の選挙があります。弁護士会というのは、きれいなピラミッド構造になっていて、重鎮の先生が会長、副会長を順番にやっていくという流れだったんです。大正時代、これに対して若手弁護士からの批判が起こって、大正11(1922)年、長老たちが推す重鎮の弁護士に対して、若手弁護士が結束して組織的な選挙活動をやって、そちらのほうが勝っちゃったんです。若手弁護士が会長、副会長を占めて、それまであぐらをかいていた重鎮の先生たちが、会長職、副会長職から追われてしまったわけです。重鎮の先生たちは『こんなのは弁護士会として認めない』っていうことで、無理矢理、外に新たな弁護士会をつくったのが第一東京弁護士会なんです。

 他のどの世界でも、選挙の結果が気に入らないから、外に新たに組織をつくってしまうなんて、およそ許されることではないと思いますけど、重鎮の先生たちは、お金もあるし、政治力も持っているんで、東京にもう一個の弁護士会を認めさせてしまったんです。似たようなことがもう一回起きて、第二東京弁護士会ができたんです。

 その結果、東京には3つの弁護士会があり、それぞれ自治権を持っているんです。司法試験に合格したら、どこに所属してもいいことになっています。一番大きいのが東京弁護士会ですね。当時は若手弁護士のリーダーがトップになったわけですけど、歴史を経て正統派の弁護士の集まりとなったといえるでしょう。第一東京弁護士会は、発足の経緯から“ブルジョア弁護士会”とよく言われてます。確かに、大手企業を顧問先に持っている企業法務系の弁護士が多いです。第二東京弁護士会はいわゆる左寄りの先生が多くて、住民運動とか労働紛争の裁判をやっていたりします」

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