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地震予知、なぜ現代科学でも「できない」のか?「首都直下地震、30年以内に70%」の真相

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大阪北部地震の被災地の様子(写真:新華社/アフロ)
「地震の予知や予測ができないことは、1980年代末には気がついていました」と語るのは、京都大学防災研究所附属地震予知研究センターの橋本学教授だ。大阪北部地震の発生を受けて、今後は南海トラフ巨大地震や首都直下地震なども懸念されるが、内閣府の中央防災会議も「確度の高い予測は困難」と明らかにしている。


 だからこそ、「防災対策はハードとソフトの両面を充実させることが重要」と説く橋本教授に、今回の地震の見解や地震研究の問題点などについて聞いた。

首都直下地震「30年以内に70%」は本当か?


――大阪北部地震の特徴と解説をお願いします。

橋本学氏(以下、橋本) 防災科学技術研究所のデータを見る限りでは、2つの余震の並びがあり、複雑な構造のようです。ただし、国土地理院のGPSのデータでは変動が出ていないので、それほど特筆すべき地震ではないと受け止めています。「規模は小さく、震源が若干深かったのかな」という感じです。

 2016年の鳥取県中部地震では地殻変動があったので解析の手がかりがありましたが、今回は現時点ではそういった変動が確認できていません。また、余震の数は同年の熊本地震と比べても、それほど多くありません。

――橋本教授はツイッターで「本震とか余震とかは、あとで学者が議論すればいい話なんですよね。今はその時期じゃない」と語っていますね。

橋本 今は余震などの観測・調査を実施して、データをしっかりと蓄積することが大事です。そして、データが出そろってから議論すべきであり、中途半端な結果が広まると誤解を生む可能性があります。たとえば東日本大震災後には、ある研究者がマグニチュード(M)7級の首都直下地震が起きる確率を「30年以内に70%」と発表しましたが、そうしたことは本来やるべきではないのです。

――大きな地震が発生すると、マスコミは「さらに大きな地震が発生する可能性がある」と報じることが多いですが。

橋本 確かに、熊本地震ではM6.5の前震が起きてからM7.3の本震が起きました。備えは必要ですが、マスコミのステレオタイプの姿勢もよくありません。通常は本震が発生し、次に余震があり、徐々に落ち着いていくタイプの地震が多いです。ちなみに、本震がM7であれば、余震は最大でもM6弱くらいになることが多いです。

――すると、今はデータ収集の段階ということになりますか。

橋本 気象庁は100年にわたる地震データを保有しています。去年の11月に東海地震の予知を前提とした「大規模地震対策特別措置法(大震法)」に基づく対応の見直しを発表し、東海地震の「警戒宣言」を事実上凍結することになりました。これの元になった内閣府のレポートに100例前後の地震の統計があり、たとえば「本震後、大部分の余震がいつ頃発生したか」などが書かれています。基本的に、気象庁や地震学者のバッググラウンドはこのデータです。

――そもそも、「大阪で大きな地震が発生する」と予測していた専門家は少なかったのでしょうか。

橋本 「この期間にこの地で地震が起きる」と予測して研究している方はそういません。近年は、房総半島沖や四国などでプレート同士が地中の境界でゆっくり滑る「スロースリップ」という現象が注目されています。これ自体は大きな被害をもたらすものではありませんが、地学的には大きな関心が集まっています。

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