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中国主導のアジア投資構想に日米が反発 腐敗増長や「生活の質」犠牲の懸念

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 AIIBのガバナンスも常に議論の対象になっている。AIIBの本部を北京に置き、総裁も中国人が想定されている。初代総裁は金立群設立準備委員長であると目されている。またAIIBへの出資比率は、購買力平価で計測した国内総生産(GDP)に基づく。この計算だと中国は参加表明国中最大の出資国となり、またその議決権のシェアは最大50%になる。AIIBは本部に各国の政府代表者を理事のような形式で常駐させることはしない。融資計画の方針は先決されて、一定期間の後にその成否が各国代表によって審査される。世銀やADBのように本部に各国代表が常駐してチェックする体制とは異なる。

 このようなAIIBのガバナンスに対して、経済学者の河合正弘東京大学名誉教授は「中国は本部と総裁を手に入れ、さらに半分の資本金で2倍の融資を自らの自由意思で行うことができる」と批判している。先の麻生発言もこのような中国本位へのガバナンスをけん制してのものだろう。

●腐敗を生む懸念も

 中国と米国の覇権ゲームという見方は不毛である。問題は、インフラ融資が「悪貨が良貨を駆逐する」ような貸出競争に発展しないことだ。冒頭でアジア地域のインフラ需要の推計値を紹介したが、それをすべて国際機関が担うという認識もまたおかしい。実際にどのくらいのインフラが必要であるのか、より厳密に判断すべきであろう。

 日本でも公共事業は利権の温床であり、「腐敗」の根源になりやすい。特にアジアの新興国には政治的な複雑性も加担して、国際的な汚職を生み出しかねないだろう。そのためにもAIIBにおける中国本位の裁量性は抑制されるべきであり、既存の国際金融機関との協調、共通するルール作りに、より積極的になるべきだ。また、ガバナンスに関しては、中国は議決権シェアを引き下げ、日本や米国などが参加しやすい枠組みを提案すべきである。
(文=田中秀臣/上武大学ビジネス情報学部教授)

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