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渡邉哲也「よくわかる経済のしくみ」

違法な暴力デモや政治活動の参加者、今後は普通の生活が送れなくなる可能性…銀行口座廃止や飛行機搭乗禁止へ

文=渡邉哲也/経済評論家
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 現在、要監視者(テロリスト扱い)に指定されているのは、アルカイダやIS(イスラム国)などのテロ組織と、北朝鮮などテロ国家とされる国とその構成員である。日本では、山口組など暴力団しか含まれていない。しかし、現在、これにPCSC協定での重要犯罪者(殺人や破壊活動、治安関連犯罪など)を加える作業が始まりつつあるのだ。これが完全実施されると、一気にその対象者は拡大する。

 また、現在、出入国の際の自動化ゲート登録は任意になっているが、今後はパスポートへの生体情報組み込みが義務化される予定であり、さらにマイナンバーでの一元管理が進むことが予定されている。

 そして、ここで得られた出入国情報は課税などにも利用される予定である。現在、国際的な税逃れの手段として、「永遠の旅行者」というものがある。これは、さまざまな国をわたり歩くことで居住地をなくしてしまい、どの国にも税金を払わないという方法である。しかし、国際的な出入国データの活用と滞在日数の把握により、これが困難になるわけだ。

航空券に「SSSS」の記載は要注意人物?

 また、まだ規制には至らないが、要注意とされる人物に対してもリスト作成が進められており、該当人物には航空券の端に「SSSS」という4文字が書き込まれる。これは「特別検査対象者」であるという印で、出入国の際に別室に連れて行かれ、全身をX線で撮られたり、徹底的な手荷物検査が行われたりするなど、厳しいチェックを受けることになっている。

 昨年11月に起きたパリ同時多発テロ事件の直後、警察と軍隊が1万件以上の調査や家宅捜索を行ったが、その対象になったのは、そのようなテロ予備軍とされる人たちだった。

 日本の暴力団に関しては、11年の暴力団排除条例の全国施行によって、暴力団構成員と密接な交際をしている人も金融規制の対象となっている。密接な交際が行われていることがわかった場合、まずは警察から是正命令が出て、それに従わない場合は金融制裁の対象となってしまうわけだ。

 また、現在、銀行口座の開設などに関しては、「反社会的な組織および団体とのかかわりがない」という誓約書にサインすることが求められている。その誓約書にサインした上で暴力団などと交際している事実があれば、それだけで詐欺罪で検挙される可能性もあり、実際にそういった事例が多く生まれている。

 現在、その対象は暴力団だけだが、今後は極右や極左のような破壊活動や暴力行為を伴う組織にも適用されると思われる。この問題に関しては、一昨年以降、G20(主要20カ国・地域)などによって、国際的なテロのガイドラインを策定する動きが進んでいる。まず、テロリストに指定する国際的な条件を決めて、それに準ずる者、つまり準テロリストに該当する条件も決める。そして、それを国際的に決定された一律の条件として運用しようという動きである。

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