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江川紹子の「事件ウオッチ」第76回

江川紹子がフェイクニュース騒動を検証…産経新聞の「辻元清美の3つの疑惑」に異議あり!

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 このように、ネットのみならず、新聞や為政者が介在して、事実と異なる、つまりはフェイクニュースが広まっていったのが、今回の現象だった。これでは、アメリカの状況を、対岸の火事とばかりに眺めてはいるわけにはいられないのではないか。

新聞は事実にこだわれ

 私は、新聞がそれぞれの政治的スタンスを、その主張の中で明確にすることは、悪いとは思わない。産経新聞が、中立ぶらずに紙面で安倍政権への支持や民進党への嫌悪を露わにするのも、むしろ読者に対して誠実な態度と見ることもできる。民進党をこき下ろし、数々の法案審議の場面で政府を追及してきた辻元氏を批判するのも、同紙の自由だ。

 けれども、そうした批判は、事実に基づいて行われるべきことは、言うまでもない。嫌いな人だから根拠不明のフェイクニュースで叩いてもいい、というのでは、もはや新聞とはいえない。書かれる人への配慮からというだけでなく、新聞が平然と多くの人々に誤った事実を広めるようになったら、民主主義の健全性は危機に瀕する。

 情報は人々の判断に影響を与える。だからこそ新聞には、フェイクニュースの発信源や拡散の主体にはなってもらいたくない。

 新聞協会の新聞倫理綱領には、こう書かれている。

〈新聞は歴史の記録者であり、記者の任務は真実の追究である。報道は正確かつ公正でなければならず、記者個人の立場や信条に左右されてはならない〉

 今回の記事作成やその後の取材に関わった産経新聞の記者には、この記述を熟読玩味してほしい。あなた方の仕事は、果たして歴史の検証に耐えるだろうか。

 新聞は、フェイクニュースに対抗し、人々の事実を伝える民主主義の砦であってほしい。そんな期待から、あえて今回、いささか長文となったが、このような苦言を呈すことにした。
(文=江川紹子/ジャーナリスト)

●江川紹子(えがわ・しょうこ)
東京都出身。神奈川新聞社会部記者を経て、フリーランスに。著書に『魂の虜囚 オウム事件はなぜ起きたか』『人を助ける仕事』『勇気ってなんだろう』ほか。『「歴史認識」とは何か - 対立の構図を超えて』(著者・大沼保昭)では聞き手を務めている。クラシック音楽への造詣も深い。
江川紹子ジャーナル www.egawashoko.com、twitter:amneris84、Facebook:shokoeg

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