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北朝鮮の核搭載ミサイル、日本を射程距離範囲内に…日本、深刻な脅威下に突入

構成=長井雄一朗/ライター
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――北朝鮮核実験やミサイル発射実験は、北朝鮮のなんらかの記念日にタイミングを合わせているのではないかという指摘があります。次の記念日は10月10日の朝鮮労働党創設の日です。

森本 北朝鮮の挑発活動は、必ずしもすべてを北朝鮮の記念日(建国記念日、党創建記念日など)に合わせているわけではありません。アメリカを意識したり、国連安保理に反発したり、さまざまな事情を勘案しています。

 たとえば、7月28日には弾道ミサイルが発射されました。本来は7月27日に発射したかったのかもしれませんが、27日は天候が悪く1日延ばしたとみています。7月27日はどのような日かといいますと、北朝鮮から見れば朝鮮戦争の「戦勝記念日」、「アメリカの敗戦記念日」なのです。そして7月4日にも、ミサイルを発射していますが、この日は、「アメリカの独立記念日」です。挑発活動の目的は2つ。ひとつは国内の志気を鼓舞すること、もうひとつはアメリカに対するメッセージです。このメッセージを達成するためのプロセスの途中ともいえます。

日本がなすべきこと

――北朝鮮の挑発活動は、十分に脅威とみなすべきでしょうか。

森本 核兵器が搭載されているミサイルは日本への射程距離の範囲内であり、北朝鮮の意図が読めない以上、十分に深刻かつ重大な脅威とみなすべきです。我々は金正恩の意図や思考を完全に読み切れていません。確かにほかの核保有国(中・露など)も日本をミサイルの射程距離内におさめていますが、少なくとも意図や思考は読めます。そこが北朝鮮と他の核保有国との違いです。

――金正恩はソウルを攻撃するのでしょうか。

森本 それはわかりません。あらゆる最悪の事態を想定して防衛することが安全保障上求められることです。最悪の事態を想定しつつ、万全な備えをすることが必要です。もちろんこれは、日本にもいえることです。

――日本は何をすべきでしょうか。

森本 北朝鮮の弾道ミサイルに対して、現在実施中ですが日本の防衛システムをより効率的に精度を高める迎撃システムになるよう新たなシステムの導入を検討していますし、また改善しています。これがまず大切です。

 もうひとつは、日本は国連の安全保障理事会の非常任理事国ですから、外交上の努力をしています。特に、アメリカ、ロシア、韓国、イランなどとの協力を進めつつ、北朝鮮の外貨獲得手段を減少させる努力もしています。また、日米韓の3国連携は肝要です。ただし、相手の領域を攻撃する先制的なオプションは考えていませんが、日本に被害が及ばないようさまざまな手段を打っていき、防衛と外交の2つの手段により、北朝鮮の暴挙を止めることが今求められています。

――ありがとうございました。
(構成=長井雄一朗/ライター)

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