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独身者より既婚者のほうが長生き?夫婦仲が悪化すると夫の健康も悪化する可能性

文=ヘルスプレス編集部
夫婦仲が良いと男性は長生き? 夫婦関係の変化が夫の「心血管リスク因子」に影響の画像1夫婦仲が良いと男性は長生き?(depositphotos.com)

 約5億人の基礎データを解析したところ、「既婚者」と「独身者」の平均余命比較では男性で8~17年、女性で7~15年もの差が生じたとの報告がある(米ルイビル大学調べ)。互いの健康を気づかい支え合う相手がいるといないのとでは、中年期以降のヘルス・ビヘイビア(health behavior:健康につながる活動)という面でも、やはり差が生じてくるのだろう。

 しかし、そういう伴侶が確保できれば「健康面は安泰」とはいかないのが人生の常である。問題は「その中身」だ。相手との関係が良好か否かで、男性側の健康面は多少なりとも左右されるらしいのだ。

 経年に伴い「夫婦関係が良い方向に改善される(変化なしも含む)」と、「夫の健康状態」は良好に保たれる。ところが、逆に「夫婦関係が悪い方向に逸れていく」と、健康状態も悪化の一途をたどる可能性がある――。そんな研究報告が公表された。

夫婦関係の経年変化が「心血管リスク因子」に影響

 疫学と地域の健康専門誌『Epidemiology & Community Health』11月号に掲載された、イアンベネット・ブリトン氏(英ブリストル大学)らの研究によれば、夫婦関係の経年変化が、男性側のBMI(体格指数)や脂質値などの「心血管リスク因子」の変化にもそのまま、わずかながら影響を及ぼすことが示唆された。

 その関連を主題に選んだブリトン氏らが用いたのは、「子持ちの既婚男性」を19年間にわたって追跡調査した英国内の研究データだ。その「研究開始時から6年後の夫婦関係」の変化ぶりと、夫側の「19年後の心血管リスク因子」との関連を詳細に解析した。

 対象に選ばれたのは、いずれも「研究開始時」と「6年後の夫婦関係」についての質問票に有効回答した計620人の夫たち。各自の年齢や収入など食い違う諸々の要素を調整した上でデータ解析をした結果、次のような数値面の傾向が読み取れた。

 対象期間中(研究開始時~6年後の調査時)の夫婦関係に関し、目立った変化はなく「常に良好だった」と回答した夫たちに比べ、6年前よりも「改善した」と自己申告した夫たちは、19年後のLDLコレステロール値が9.7mg/dl、BMIは1.07低かった。

 さらに後者の場合、総コレステロール値と拡張期血圧値の改善面においても「微量ながら夫婦関係の改善との間に関連が認められた」(ブリトン氏)という。

 一方、同じ対象期間中に「夫婦関係が悪化した」と回答した夫たちの場合、「夫婦仲が常に良好だった」と回答した夫たちに比べて、拡張期血圧値が2.74mmHg悪化していた。

 ちなみに、経年に伴う悪化どころか、「ウチは一貫して夫婦関係が悪いよ」というトホホな夫たちの場合、心血管リスク因子への悪影響がほとんど認められなかったというのも興味深い。カミサマも彼らを憐れんで、さすがに健康面での不幸は見逃してあげたのだろうか。

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