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スタバ、「少量なのに高い」炭酸飲料参入の大きな落とし穴…マックの二の舞の懸念も

文=布施翔悟/清談社
スタバ、「少量なのに高い」炭酸飲料参入の大きな落とし穴…マックの二の舞の懸念もの画像1スターバックス スパークリング

 この春から、コンビニエンスストアのドリンクの棚に、おなじみのスターバックス コーヒーのロゴが入ったおしゃれなボトルが並んでいることにお気づきだろうか。

 これは、スタバとサントリー食品インターナショナルによるスタバブランドの透明な炭酸飲料水「スターバックス スパークリング」だ。ノンカロリーの「リフレッシングテイスト」と、ローカロリーの「ピーチスプラッシュ」の2種類があり、価格はそれぞれ130円と140円(共に税別、390mlペットボトル)。コーヒーチェリー(生豆を含む)由来のカフェインが配合され、ココナッツ果汁が含まれているのが特徴とされている。

 すでに、若い女性の間では「容器が欲しくて買った」「見た目がおしゃれ」と人気を集めており、インスタグラムやフェイスブックには多数の写真がアップされている。また、味自体も悪くなく、炭酸が強めで甘さは控えめのスッキリした飲み心地で、朝起きたときに飲みたくなるような味わいだ。

 これは、スタバの店舗ではなくコンビニ限定の商品で、2月27日からセブン-イレブンで先行販売されている。なぜ今、スタバがコンビニ売りの炭酸飲料に参入したのか。その狙いについて、一橋大学大学院経営管理研究科教授で経営学者の楠木建氏に聞いた。

強気の価格設定を可能にする「スタバブランド」

 まず、スタバをめぐる現状を整理しておこう。近年、スタバに対しては「どこの店舗に行っても混んでいる」「“意識高い系”と思われそうで恥ずかしい」などネガティブな声が増えている。

 日本生産性本部が毎年発表している「顧客満足度調査」のカフェ部門でも、かつては首位だったものの、2017年は5位以下の圏外に転落しており、「スタバブランドが消費者に飽きられつつある」と話題になった。

 楠木氏によると、これは長年にわたって同じ戦略を続けてきたブランドならではの傾向だという。

「これまでも、スタバは何度も一時的に人気が低下しています。その理由は2点あります。まず、スタバは確立されたサービスを何年も続けているので、それに対して消費者に飽きがくるということ。もうひとつは、常にほかのカフェチェーンとの厳しい競争にさらされているということ。カフェチェーン業界には、新たな特色を持ったカフェが次々と台頭してきていますから」(楠木氏)

 カフェチェーンに限らず、外食業界は浮き沈みが激しい。ブランド力の高いスタバも例外ではないというわけだ。

 そう考えると、スタバがコーヒー以外の飲料に参入した狙いは、やはり現状を打破するためなのだろうか。楠木氏は、「炭酸飲料への参入は、むしろスタバというブランドが定着した証です」と指摘する。

「今回の商品は、他社が開発した炭酸飲料に『スタバ』という付加価値をつけてあげたもので、どちらかというと他社の事業です。スタバは10年以上前からコンビニでチルドコーヒーを販売していますが、ビジネスモデルとしてはそれとまったく同じです」(同)

 今回の新商品はスタバのブランド力を背景にしたロイヤリティビジネスで、決して目新しいものではないという。スタバブランドの強さは、価格を見てもよくわかる。

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