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金子智朗「会計士による会計的でないビジネス教室」

一度潰れかけた日産が、再び「行き着くところまで行く」気配…不正「日常化」企業の共通点

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日産、新たな検査不正 排ガスのデータ改ざん(写真:つのだよしお/アフロ)

 日産自動車でまたも不正が発覚した。今回は、排ガスや燃費のテストデータを書き換えたという。社内基準から外れたデータを、基準を満たしているかのように装ったのである。同社によると、データの書き換えは確認できたものだけで、2013年以降、国内5工場で19車種1171台に上る。同工場で検査された車の半数を超え、データ改ざんが日常的に行われていたことになる。

 日産といえば、昨年に無資格検査が問題になったばかり。独フォルクスワーゲンやSUBARUなど、同業他社も同様の不正によって大きな批判を受けるなかでの出来事でもある。この件で思うのは、組織とはこうも変わらないものなのかということだ。

行くとこまで行かないと変われない


 私の社会人としてのスタートは、日本航空(JAL)という会社であった。JALといえば、2010年に経営破綻した会社である。すでにJALを辞めていた私は、破綻したときに随分と多くの方から「先見の明がありましたねー」などと言われたものだが、私が辞めたのは破綻の十数年前だ。当時は辞めていく私に、これまた多くの諸先輩方から「なんで、こんないい会社を辞めるんだね?」と言われた時代である。先見の明があったわけでもなんでもない。

 ただ、何かと違和感を抱いていたのも事実だ。そんな私が「JAL破綻」の一報を聞いたときに最初に思ったのは、「組織って、こうも変わらないもんなんだ」ということである。なぜならば、破綻したときにマスコミ等によってさんざん明るみに出された数々の問題は、すべて「なんでこんないい会社を」と言われた十数年前からすべて存在していたからである。

 そして、違和感を抱いていたのは私だけではない。若手同士で飲みに行けば、「会社はなんにもわかってねーよなー」「ホントだよなー。社長は何やってんだろうなー」「オレだったらこうするけどなー」とビール片手に語っていたのである。要するに、みんな問題はわかっているのである。わかっているけど、具体的な行動を起こさない。行動を起こさないところからは何も起こらない。かくして、組織は行くところまで行くのである。

 先日、私が教えるビジネススクールの授業で、ある大手メーカー勤務の学生が、品質管理部門と予算管理部門の板挟みにあって困っているという話をしていた。会社的にはQCD(Quality=品質、Cost=コスト、Delivery=納期)という明確な優先順位があるのに、予算管理部門の人は「品質のことはいいからとにかく予算内に収めろ」と言ってくるのだそうだ。学生が「おかしいと思うんですよね」と言うので、「それについて、どれくらいの人がおかしいと思っているの?」と聞くと、「ほとんど全員がおかしいと思っていますよ」と言う。「じゃあ、それを変える具体的なことはしてるの?」と聞くと、「いいえ。少なくとも私は一担当者ですから」と言う。

 組織には大きな慣性がある。一度転がりだした巨大な鉄球は、止まることも方向を変えることもなかなかできないのだ。そして、最後は崖から落ちるのである。

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