ビジネスジャーナル > 社会ニュース > 霧島市に1451人が移住した理由  > 3ページ目
NEW

鹿児島県霧島市に日本中から1451人が移住した理由…

文=山田稔/ジャーナリスト

移住者アンケートにみる霧島市の魅力

鹿児島県霧島市に日本中から1451人が移住した理由…の画像4西郷隆盛の銅像

 移住定住促進政策を実施してから約12年。移住者たちは霧島暮らしをどう受け止めているのだろうか。市が行った移住定住促進補助金受給者アンケートの結果が興味深い。調査対象は17年4月1日から18年3月31日までに移住定住促進補助金の当初申請をした52世帯。つまり、最近の移住者の感想だ。

 年代は20~30代が55%で半数以上。転入前の住所は県内が53%。県外では近畿11%、九州7%、関東と東海が5%などで、海外は1世帯。全体の60%は子どもがいる世帯だ。

 移住理由(複数回答)は、「本人、家族のふるさと」がもっとも多く、57.8%。以下「温泉、水、食べ物、自然環境が良い」37.8%、「仕事の都合」33.3%、「移住定住促進制度が充実していた」22.2%などと続く。

 移住後に改めて感じた魅力や満足している点については、「自然環境・景観が良い。静かに暮らせる」が51.1%、「立地、交通アクセスの良さ(空港、鉄道、高速)」22.2%、「お店や病院が充実し、生活しやすい」13.3%、「食べ物がおいしい」11.1%、「温泉が素晴らしい」「子育て環境が良い」「人が優しい。地域の交流が良い」8.9%などで、地方暮らしのメリットを享受しているようだ。

 逆に、不便に感じていることは「近所にスーパーや薬局などが少ない」22.2%、「交通の便が悪く、車がないと生活しづらい」13.3%、「インターネット環境が悪い」8.9%、「道路整備、下水道整備に不満」6.7%など、都会生活とのギャップに不便さを感じている様子がうかがえる。

 NHK大河ドラマ『西郷どん』で鹿児島県に世間の関心が集まった1年。温泉と狩猟を好んだ西郷隆盛は霧島を何度も訪れ、空港近くの西郷公園には人物銅像としては日本一の高さを誇る銅像が立っている。坂本龍馬がお龍と日本初の新婚旅行に訪れ、逗留したのは市内の塩浸温泉。二人は高千穂峰にも登っている。市内には4つの温泉郷があり、泉質は硫黄泉から単純温泉まで多彩、まさに温泉天国だ。

鹿児島県霧島市に日本中から1451人が移住した理由…の画像5移住者が経営するセレクトショップ「きりん商店」

 京セラ、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング、トヨタ車体研究所などの大手企業が立地しているほか、焼酎用種麹のシェア日本一の河内菌本舗 河内源一郎商店、壺造り黒酢生産量日本一の坂元醸造といった健康を売りにする地場企業の業績も好調だ。霧島茶を生産する有村(幸)製茶は、農林水産大臣賞を3回受賞している。近年は移住者が始めたカフェや、霧島のよかもんを集めたセレクトショップ「きりん商店」も地元の人や観光客に人気を集めている。

「移住」は、都会の生活者にとっても、人口減に悩む地方自治体にとっても、大きなテーマだ。自然豊かで地場産業も盛んな南九州の温泉地には、移住者を惹き付ける未知の可能性が秘められている。
(文=山田稔/ジャーナリスト)

鹿児島県霧島市に日本中から1451人が移住した理由…のページです。ビジネスジャーナルは、社会、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!