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平野雅章「FP相談2000件でわかった全体最適マネー術」

投資・保険・不動産の専門家の話を鵜呑みにすると、「不利益」を被るワケ

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「Gettyimages」より

 この連載のタイトルは「全体最適マネー術」なのだが、「全体最適」の意味がピンとこない人も少なくないだろう。「全体最適」とは経営用語ではあるが、その考え方は家計管理でも応用でき、かつ非常に効果的だと私は考えている。

「全体最適」とは、一部分の生産性・効率性の向上ではなく、組織やシステム全体として、生産性・効率性の向上を重視する思考プロセスのこと。ある部分だけに着目して最適化しても、必ずしも全体が最適になるわけではなく、むしろ全体の不利益になることさえあるのだ。

ボトルネックを認識することが重要


「家計」は、実に広い分野に関わっている。資産運用、生命保険、損害保険、住宅ローン、税金、社会保険など、それぞれの分野で細分化された専門家がいる。ある分野の専門家は、当然、その分野での最適を考えたプランを顧客に提案する。ところが、部分での最適は、ライフプラン全体を考えると、むしろ不利益になることが結構あるのだ。

 典型的な例を挙げてみよう。標準的なサラリーマン家庭が、資産運用の専門家の意見に基づき、当面使わないお金を投資信託に分散投資するとしよう。子どもが大学生の時期は手元のお金が少なくなり、投資信託を売却して学費を払う必要に迫られるかもしれない。そのタイミングでたまたま投資信託の評価額が低ければ、大きく損をしてしまうことになる。子どもが私立中学や私立高校に入学することになり、最初の想像以上に短期間で手元のお金がなくなってしまい、投資信託などを売却する、あるいは教育ローンを借りて、高い金利を払うことになることも考えられる。

 投資信託の購入時は余裕資金を充てたつもりでも、何年先までそのお金を使わないですむのかは、キャッシュフロー表(以下、CF表)と呼ばれる、手元のお金の数十年先までの残高シミュレーションをしないとわからない。上述の状態を避けるには、CF表を作成して、その結果に基づいて投資額を決める、あるいは運用期間が短くなりそうであればリスクのある商品への投資を避けるといった判断が必要だ。しかし、資産運用の専門家でそれを行う人は一部である。

 私は毎日のように相談者のためにCF表を作成しているが、過半数の人は子が高校・大学に行くタイミングで手元のお金がなくなってしまう。すなわち、子どもが高校生・大学生のときの手元のお金の急減が、他の分野を制約する、つまりボトルネックになる可能性が高いことを認識する必要がある。

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