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沖有人「不動産の“常識”を疑え」

社長の家が「田園調布・成城の一戸建て」から「赤坂・西新宿のタワマン」に移った合理的理由

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西新宿の超高層ビル群(「Wikipedia」より/Morio)

「地(じ)ぐらい」とは、不動産業界の隠語だ。意味は住宅地の高級・低級を表すもので、「地ぐらいが低い」などのように使う。一昔前まではこの「地ぐらい」で説明できない土地はなかったが、湾岸のタワーマンションはこの言葉では説明できない。その変化の背景にあるのは、世帯構成の変化だ。つまり、必然の結果なのであり、それを明らかにしておこう。

社長の自宅は戸建てからマンションへ


 東京商工リサーチの2017年全国「社長の住む街」調査によると、1位赤坂、2位西新宿、3位六本木であった。しかし、03年のトップ3の顔ぶれはまったく違う。1位田園調布、2位成城、3位大泉学園町という具合だ。

 これは別の見方もできる。17年はマンション立地で、03年は戸建て立地だということだ。高級住宅地に庭付きの一戸建てを建てるのは戦後の昭和世代のステイタスだった。しかし、それは「今は昔」なのである。

 この傾向を端的に表すものとして、マンションと戸建ての価格変化がある。マンションと戸建てと土地の価格インデックスがあるが、アベノミクス以降、マンションは大きく値上がりしているのに対して、戸建てと土地は横ばいにしかなっていない。

 アベノミクスの経済政策の3本の矢のひとつ、金融緩和は不動産へのお金の流れを加速させ、不動産価格が高騰するのがいつものことだった。しかし、今回ばかりは戸建てと土地の需給バランスが緩く、値上がりしない状況にある。こうなるのには、理由としての社会背景がある。

「丘の上は暮らしにくい」時代に


 以前、地ぐらいの高い住宅地は丘の上だった。しかし、今では「丘の上は暮らしにくい」という声が多い。特に高齢者には受けが悪い。なぜなら、丘の上にはスーパーマーケットもコンビニエンスストアもないからだ。生活で必要なものは庶民の下界に降りていかなければならない。「クルマで行けば」「運んでもらえば」とは言うものの、買い物は日常のことで、体への負担と時間のかかる距離は心理的に敬遠されるのが現実だ。

 そこで重宝がられるのが、エレベータである。高低差はエレベータがカバーするとなると、タワーマンションは居住位置の高さとアクセスの良さで一挙両得になる。こうした高低差は家の中でも嫌われている。戸建ての2階は足腰が弱ったお年寄りには苦痛になる。結果的に1階ですべての生活を行い、2階は物置になっている家は多い。その点、マンションは最初から平屋の住戸の集合体だ。エントランスからエレベータを経て共用の廊下を抜けると、そこは自分の家でフラットな床しかない。

 こうして、資産家の住まいは「丘の上よりタワーの上」に移りつつあるのだ。

不動産の評価を左右する賃料は「アクセス」が命


 バブル崩壊まで、不動産鑑定評価は実質ひとつしかなかった。それは取引事例を比較するもので、隣の土地が10%値上がればその周辺も10%値上がったとみなされる。これには価格変動の限度がない。隣が毎年2倍になれば、その隣もそうした値動きにしかならない。こうして「バブル」は生まれ、終焉を迎えた。地ぐらいはこの取引事例比較法の申し子であったので、地ぐらいがエリア間で逆転することはなかった。

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