ビジネスジャーナル > 企業ニュース > テレビ、“食品ロス”が常態化  > 2ページ目
NEW
垣田達哉「もうダマされない」

大量に料理を残す料理番組、一口だけ試食の情報番組…テレビ、“食品ロス”が常態化

文=垣田達哉/消費者問題研究所代表
【この記事のキーワード】, , ,

 一度の料理に、同じ材料が2回、3回と使われることもある。完成した料理はもちろんだが、完成途中のつくり置きした食材や最終調理食材と交換された半調理済み食材は、番組終了後食べられているのだろうか。

 半調理済み食材は、最終調理までしなければ食べられない。番組収録が終わった後で調理されて食べられているのだろうか。それとも、完成した料理や半調理食材は、誰かが持ち帰って食べているのだろうか。

 そこで提案なのだが、少なくとも半調理食材(下ごしらえ、つくり置き食材)をつくらない方法で番組を制作してはどうだろう。収録番組なのに、調理してから完成まで、ノンストップでカメラを回していることがある。

 海外の料理番組では見かけるが、調理時間がかかるところは、カメラを回さずに調理をする。その部分はカットして、半調理された食材そのものを使って料理をするところから放送する。完成させるまで、食材は通して使う。交換はしない。時間がかかる調理段階が何回かあっても、その都度、30分でも1時間でも調理をして、調理をしたあとから再度カメラを回して制作する。収録なのだから、多少時間がかかっても、余分な食材を使わないで料理を完成させるという方法はとれないのだろうか。

 収録番組であれば、そうした編集をしても「食材を使いきることを優先する」という姿勢であれば、視聴者には受け入れられるはずだ。カメラマンやスタッフの拘束時間が長くなるが、半調理している間は誰かが拘束されているのだ。

旅番組で飲食店に残された料理

 もうひとつ気になるのが、散歩や短い旅番組での「飲食店での食事」だ。一日に、あるいはもっと短時間に何軒もの飲食店に立ち寄って食事をすることが多い。放送された部分だけを見ていると、そこで提供された料理を「出演者がすべて食べきる」ことは少ない。

 食べるよりトークが主になるのは仕方ないが、出演者が料理を少し食べただけでほとんど手つかずのこともある。しかも、残したまま席を立って次の場所に向かうという場面もよく見かける。料理を残したまま、席を立って店を出るまで、カメラを止めることなく、次の目的地に向かう姿を映している。

垣田達哉/消費者問題研究所代表、食品問題評論家

垣田達哉/消費者問題研究所代表、食品問題評論家

1953年岐阜市生まれ。77年慶應義塾大学商学部卒業。食品問題のプロフェッショナル。放射能汚染、中国食品、O157、鳥インフルエンザ問題などの食の安全や、食育、食品表示問題の第一人者として、テレビ、新聞、雑誌、講演などで活躍する。『ビートたけしのTVタックル』『世界一受けたい授業』『クローズアップ現代』など、テレビでもおなじみの食の安全の探求者。新刊『面白いほどよくわかる「食品表示」』(商業界)、『選ぶならこっち!』(WAVE出版)、『買ってはいけない4~7』(金曜日)など著書多数。

大量に料理を残す料理番組、一口だけ試食の情報番組…テレビ、“食品ロス”が常態化のページです。ビジネスジャーナルは、企業、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!