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発がん性あるカビ毒汚染の牛乳・乳製品が流通…輸入穀物のアフラトキシン無検査の危険性

文=小倉正行/フリーライター
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発がん性あるカビ毒汚染の牛乳・乳製品が流通…輸入穀物のアフラトキシン無検査の危険性の画像1「Gettyimages」より

 カビ毒としてもっとも人類に脅威を与えているのが、自然界で最強の発がん性を持っているアフラトキシンである。アフラトキシンを生産するカビはアスペルギルス・フラバスで、熱帯から亜熱帯地方で広範囲に分布しており、高温多湿の環境下で繁殖し、さまざまな食品をアフラトキシンで汚染する。

 主な汚染食品はトウモロコシ、コメ、小麦、大麦、そば、ピーナッツ、アーモンド、ピスタチオ、大豆、リンゴ、コーヒー豆、カカオ豆、香辛料、乾燥果実、家畜飼料原料などであるが、アフラトキシンは120℃以下の加熱ではほとんど分解しないので、加熱調理でも残存し、そのため、バターピーナッツ、パスタ、焙煎コーヒー豆、チョコレート製品などの加工品からも検出されることがある。

 アフラトキシンはヒトの肝がん原因のカビ毒で、国際がん研究機関(IARC)も人に対する発がん性が認められる化学物質として、世界中で厳しく規制されている。アフラトキシンB1、B2、G1、G2の4種類あるが、そのなかでもっとも強い毒性を有しているのが、アフラトキシンB1で、当初日本においても全食品に10ppbの規制値が設定されていたが、B1以外のアフラトキシン汚染も無視できないことが判明し、2011年度からアフラトキシンB1、B2、G1、G2の合計量で10ppbの規制値を設定している。

 では輸入食品においてその汚染状況はどうなっているのか、2018年度の主な違反事例をみてみる。
 
 もっともアフラトキシン汚染が多かったのは米国産アーモンドで、1年間で39もの違反事例が発生し、次いで米国産落花生で13、米国産トウモロコシで12、中国産ピーナッツで9、中国産落花生で8と続く。米国産と中国産の汚染が際立って多い。

 汚染度も基準値(10ppb)を大きく上回る事例が目立つ。インド産ナツメグは基準値の77.2倍、スペイン産乾燥イチジクは同60.4倍、ネパール産トウモロコシの粉は同30.8倍、米国産ミックスナッツは同28.7倍、中国産ナツメグは同27.8倍、インド産ナツメグ同24.5倍、米国産生鮮アーモンドは同22.2倍、米国産生鮮アーモンドは同19.7倍、米国産生鮮アーモンドは同18.7倍などである。

 食料自給率が38%で、輸入食料に大きく依存している日本にとってアフラトキシン汚染は、今後いっそう脅威になることが想定されている。それは地球温暖化による影響である。地球温暖化で熱帯、亜熱帯地域のみならず、それ以外の地域でも気温が上がれば、アフラトキシンを産生するカビのアスペルギルス・フラバスの発生が増え、農作物への汚染も広がる怖れがある。

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