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大人なのに段取りや整理整頓ができないあなた…それ、「発達障害」の可能性

文=真島加代/清談社
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「gettyimages」より

 脳の一部に先天的な発達の偏りがあることを指す「発達障害」。脳の発達は子どもの成長に大きくかかわるため、育児の現場で耳にすることが多い。しかし、近年では、子どもの頃に障害に気づかないまま成長し、社会人になってから発達障害であることが判明する例が増えており、「大人の発達障害」と呼ばれている。

「一口に大人の発達障害といっても、さまざまな種類があります。注意欠如・多動症(以下、ADHD)やアスペルガー症候群を含む自閉スペクトラム症(以下、ASD)、限局性学習症(以下、SLD)などが代表的な例です。人によっては、ADHDとASDなどの症状が同時に現れるケースもありますね」

 そう話すのは、『「大人のADHD」のための段取り力』(講談社)の著者で司馬クリニック院長の司馬理英子医師だ。司馬氏は、高校生までの子どもと大人の女性の発達障害を専門に治療を行っている。司馬氏によれば、大人の場合は症状によって仕事のトラブルに違いがあるという。

「たとえば、ADHDは『同じミスを繰り返す』という特徴があります。注意欠如の特徴が強い人は、書類の誤字脱字を見落とすなどのケアレスミスを繰り返してしまうんです。注意をしても改善されないと『やる気がない』と思われて、周囲からの信頼を失ってしまう可能性があります」(司馬氏)

 ADHDには「時間の管理が苦手」「決められた手順にしたがって進められない」「準備ができず計画が立てられない」などの特性があり、遅刻グセがあったり仕事の進行に支障をきたしたりするケースが多いという。また、ASDやSLDなど、ほかの発達障害の特性もトラブルにつながりやすい、と司馬氏。

「ASDは場の空気を読むことが苦手です。暗黙の了解を感知できなかったり余計な一言を口にしたりして関係を悪くするなど、コミュニケーションに問題が生じるケースが多いですね。SLDは、計算、文章読解など、ある特定の作業が苦手です。苦手な作業が業務に入っていると、かなり時間がかかってしまうかもしれません」(同)

 大人の発達障害の場合、学力に問題がなく、むしろ勉強が得意で学歴が高いケースもある。しかし、社会に出ると「ゴールに向かって計画通りに進める能力」や「コミュニケーションスキル」など発達障害のある人には苦手なものを求められ、小さなミスを連発してしまうという。

「段取り力」と「聞き役」がカギに

 発達障害の特性が引き起こすトラブルには「対策次第で改善できるものもある」と、司馬氏は話す。対策のひとつが“段取り力“を身につけることだという。

「一般的には『段取り』と聞くと、仕事や家事の基本ができている上で、さらに効率アップすることをイメージする人が多いと思います。しかし、ADHDのなかには『ゴールを見据えて計画通りに進められない』『決められた作業を順番通りにこなせない』という困難を抱えている人がいます。根本的な意味で、仕事をスムーズに進めるための“段取り力”を身につける必要があるんです」(同)

 ADHDが抱えるトラブルのひとつに「遅刻」がある。遅刻グセを改善するなら「時間の流れや段取りを意識してほしい」と、司馬氏は指摘する。

『「大人のADHD」のための段取り力』 ADHDの人に必要な段取り力とは視野を広く長くもち、道筋をつける力です。頻発する遅刻や忘れ物、片づけられない……段取り力があればうまくいく。 amazon_associate_logo.jpg

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