ビジネスパーソン向け人気連載|ビジネスジャーナル/Business Journal

私には双子の子どもがいる。子どもが幼稚園児だった頃は、東京都江東区のタワーマンションに住んでいた。新婚時に購入したものだ。子どもが生まれてからは、マンションに隣接する都立の大きな公園によく遊びに行った。しかし、ある理由で引っ越しを突然思い立つ。
引っ越しを決めた思いがけぬ理由
幼稚園は隣の区のお寺が運営しているところに通わせており、スクールバスでの送り迎えがあった。その幼稚園は生活する上での礼儀やしつけがキチンとしていた。年に一度の運動会は子どもの成長を実感できる感動的なもので、ママさんたちが涙をこぼす姿は印象的だった。この頃の生活には不満がなかった。
しかし、ある理由でそのマンションから引っ越しをしようと決めた。その理由は、近隣の公立小学校のよからぬ噂を聞くようになったからだった。その小学校の1年生のクラスでは、子どもが先生の言うことを聞かない、大声を出して授業を妨害するなど、いわゆる学級崩壊のような状態になっているというのだ。また、学区内にある団地が外国人を大量に受け入れており、多様な学力レベルの中で最下レベルに合わせた授業になりがちだという。
「小学校は幼稚園よりも教育環境が悪そうだ」
これを聞いたときはショックだった。新婚で移り住んだ場所は夫婦にとって悪くなかった。通勤時間は短くなったし、買い物などの生活環境も許容範囲だった。
しかし、子どもの教育環境の話になると課題があり、解決方法としては、双子を小学校受験させて2人とも合格してもらうしかないように思われた。とはいえ、男女の双子であり、2人が合格できそうで共学のところとなると、受験する小学校を決めるのは容易ではなかった。
「教育環境の整った公立小学校に入れよう」
これが、私たち夫婦の出した結論だった。そのために立地選定に入った。幼稚園に通わせている間に引っ越したとしたら、車での送り迎えが必要になろう。とはいえ、送迎の時間はできる限り短くしたいので、現在の家からあまり離れることもはばかられた。そこで、通っている幼稚園の場所と私の勤務地の関係から、文京区内で選ぶことにした。
文京区の公立小学校事情
文京区で人気がある公立小学校は、頭文字を取って「3S1K」と呼ばれている。誠之小、千駄木小、昭和小、窪町小の4つのことで、それぞれ人気の小学校になるだけの理由がある。
誠之小は東京大学がほど近い西片、昭和小は六義園という都立庭園そばの通称、大和郷と呼ばれる高級住宅地が学区内にある。千駄木小も元武家屋敷の住宅地を抱え、徒歩圏の西日暮里駅周辺や地下鉄で3駅以内に有名進学塾が揃っている。窪町小は近隣に学芸大学附属竹早小学校、お茶の水女子大学附属小学校、筑波大学附属小学校と3校の国立小学校があり、典型的な文教エリアとして名高い。
こうした小学校では国立・私立中学受験率が高く、2月1日の都内の中学受験日には6年生の9割が受験で学校を休むといわれる。1月からは小学校に行かずに昼から塾通いをして受験対策をしていても、学校側は何も言わない例もある。
国立・私立中への進学率の格差
実際、文京区の国立・私立中学校への進学率は44.2%で、1位の千代田区(44.6%)、2位の中央区(44.3%)と僅差の3位になっている。ちなみに、国立・私立中学校への進学率は東京都平均で18.8%となっており、5人に1人ほどが公立中学校に進学せず国立や私立の中学校に行っている。
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