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渡瀬基樹の「空港から最寄り駅まで歩いてみた」第8回

北九州空港から日豊本線・朽網駅まで歩いてみた…人工島にかかる橋は絶景ながら異常に過酷

文=渡瀬基樹
北九州空港から日豊本線・朽網駅まで歩いてみた…人工島にかかる橋は絶景ながら異常に過酷の画像1
福岡県や山口県西部からの利用者が多い北九州空港は、人工島に作られた24時間運用の空港だ。(写真はすべて筆者撮影)

 利用者の多い大都市のハブ空港の多くは、鉄道の駅が直結している。しかし地方の空港は、バスやマイカーでのアクセスがメインとなっているところが多い。そんな空港から、最寄り駅まで歩いてみる本連載。第8回目の今回は、福岡県の北九州空港へと行ってみた。実践したのは2019年6月上旬で、最高気温が30度を超える、暑い時期だった。

 北九州空港は瀬戸内海西部の周防灘に浮かぶ、人工島に位置する。現在は2代目で、2006年3月の開港以前は、現在地から約5km西方の海岸線沿いに、初代北九州空港があった。

 初代は旧陸軍の曽根飛行場として誕生し、米軍接収を経て民間飛行場に転用されたが、滑走路が1500m(後に1600mに延伸)と短く、ジェット機の離着陸に対応できなかった。西方は竹馬川と山、東方は環境保護の観点から埋め立てできない曽根干潟に囲まれ、延伸が不可能ということで建設されたのが現空港となる。

 旧空港はJR日豊本線の下曽根駅から徒歩10分程度とアクセスが良かったが、滑走路の短さは空港として致命的といえるものだった。政令指定都市の空港でありながら、1983年から1991年までの8年間は定期便が存在せず、その後も利便性では全国屈指の福岡空港に、需要は奪われっぱなしの状態が続いた。

 福岡空港の発着数が運用の限界に達しており、スターフライヤーがハブ空港として本社を置いていることもあって、現空港は、福岡県東部や山口県西部の需要をまかなう空港として、一定の存在感をみせている。東京・羽田便や静岡、那覇などの国内線だけでなく、台北や釜山など国際線も多く運行している。24時間運用可能な海上空港の利点を生かした貨物便の拠点としても機能していて、付近に工業団地が集積する要因ともなっている。

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北九州空港の位置。(Googleマップを利用しています。権利関係はGoogleに帰属しています)
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空港島内に集積するスターフライヤーの施設。本社も北九州空港内にある。
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人工島の中には空港関連施設やビジネスホテルなどの建物しか存在しない。

小倉駅からは1日38往復ものバスが

 北九州空港へのアクセスは、バスが主体だ。北九州市の中心駅で山陽新幹線が停車する小倉駅へはノンストップのエアポートバスが結んでいるほか、鹿児島本線の黒崎駅や折尾駅、日豊本線の朽網駅へと向かう便もある。本数は少ないが、門司港駅や山口県の下関駅(関門線)、博多駅や福岡市の天神へ向かうバス(福北リムジンバス)も存在する。今回は小倉駅からノンストップ便のバスで空港へ向かった。

 空港行きのバス停は、小倉駅小倉城口(南口)を出てすぐのバスターミナルにあり、案内もわかりやすい。所要時間33分のノンストップ便は1日25〜26便。同49分の小倉中谷便を合わせると1日38往復だ。フリーwi-fiも利用でき、利便性はかなり高い。

 小倉駅のバスターミナルを出発すると、駅の東側をぐるりと回って、新幹線口(北口)の先から北九州高速へと入る。この路線はかなり高い位置を走るため、小倉城など小倉市街地が一望できて、なかなか気持ちいい。風景を楽しみたいなら、左側の窓側の席をチョイスすることをおすすめしたい。

 30分強の所要時間は、長いとはいえないが、短いともいえない。ただ、充実した車内設備や景観の良さ、行程の多くが高速道路ということで、それほどストレスは感じずに到着した。今回は、この北九州空港のターミナルから日豊本線の朽網駅まで歩いてみた。

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北九州市の中心駅である小倉駅は、新幹線も全列車が停車する交通の要衝。小倉城口(南口)には繁華街が広がる。
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バスターミナルは、駅から直結のデッキから降りたところ。利便性はかなり高い。
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空港へのエアポートバスは西鉄バスが運行。ノンストップ便は33分で、駅と空港を結んでいる。
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高速を走るバスの車内から撮影した小倉城……は残念ながら電線がかぶってしまったが、景色はすばらしい。

渡瀬基樹/フリーライター

渡瀬基樹/フリーライター

1976年、静岡県生まれ。ゴルフ雑誌、自動車雑誌などを経て、現在はフリーの編集者・ライター。自動車、野球、マンガ評論、神社仏閣、温泉、高速道路のSA・PAなど雑多なジャンルを扱います。

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