レジ袋が2020年から有料化するというニュースには、いささか驚いた。生ごみは毎回レジ袋に入れて捨てていたからだ。といっても、これからはお金を出して別途ポリ袋を買うことになるだけで、生活に大きな変化はないだろう。
私はお惣菜をよく購入する。そこについて回るのがプラスチック容器だ。そしてプラスチックは今、最もバッシングされる素材となった。かつて紙を無駄にするとアマゾンの森林が減っていく話をされたように、今はプラスチックの削減がブームらしい。
こんな書き方をすると、世間からは「アンチエコ」に見えるかもしれない。残念ながら、私にはそこまでのポリシーもなく、ただひたすらに怠惰な人間をやっている。刺身の乗るトレイが紙だろうが、プラだろうが防水なら問題ない。それくらいの、無関心な一般人である。が、エコとアンチエコの戦いが激しくなるなかで、「無関心」ではすまされなくありつつある。
エコの過激派、グレタさんの登場
エコの過激派といえば、スウェーデンの少女・グレタさんだろう。グレタさんは環境を省みない世間に怒りを抱き、学校をボイコットした。そこから知名度が上がり、2019年には国連でスピーチを行い、「この状況を本当に理解しているのに、行動を起こしていないのならば、あなた方は邪悪そのもの」と強い口調で語り波紋を呼んだ。トランプ大統領、プーチン大統領など名だたるメンツが彼女を批判したが、そのたびにグレタさんはスマートな切り返しを行い、さらなる話題を呼んだ。
これまで、環境活動家はそれなりに存在してきた。しかし、グリーンピースなど一部の団体を除いては、そこまでの過激派はいなかった。ましてや、少女がここまで先鋭的な立場を取ることはなく、普段は環境問題をトップニュースにしない日本のメディアも、一斉にグレタさんを扱った。その面では、グレタさんの手法が成功したといえる。
アンチエコの反発は、過激派から生まれた
そして、グレタさんの過激な発言へ呼応するように、反対派の“アンチエコ”も生まれた。どんな団体もそうであるように、エコな人にも、過激な思想を持つ層はいる。家からプラスチックをなくすことに躍起になったり、スターバックスやコカ・コーラを人類の敵とみなしてみたり。下手をすると「コーラをペットボトルで飲むなんて、この人でなし!」と怒られるかもしれない。