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消費増税の裏で、税金の不当支出等の指摘事項が1000億円超…不当の最高額は厚労省

文=山田稔/ジャーナリスト
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 医療給付に対する国の負担が不当と認定されたケースも目立つ。平成26年度から30年度までの間に18都道県で計4億1661万円の医療費の過大支払いがあり、国の負担額1億6151万円が不当とされた。国民の知らないところで、保険料や医療費をめぐり不適切な支出が日常的に行われているということだろう。

 総務省の不当事項認定額6億7855万円も際立っている。これは地域活性化を目的とした交付金が対象だ。不当支出があったのは「地域の元気臨時交付金」。茨城県、大阪府、大阪市、神奈川県、鹿島市(佐賀県)の5自治体の交付金対象事業に総額97億9882万円の交付金が交付されたが、このうち6億576万円が不当と認められた。

 私立大学への補助金交付でも不当案件が複数みられる。日本私立学校振興・共済事業団による12件の私立大学等経常費補助金交付金額118億9448万円のうち2億7840万円が不当と認められた。一般補助の算定対象とならない者等を含めたり、特別補助の算定対象とならない経費等を含めるなどの算定資料に基づいて補助金額を算定したために過大交付が発生したとしている。6億1026万円の補助金交付を受けた山口県の学校法人のケースでは1億3793万円が不当だった。交付額の23%が不当というデタラメぶりだ。

指摘金額は10年間で激減

「指摘事項」の標記件数は平成21年度の986件から30年度は335件と600件も減少。指摘金額に至っては1兆7904億8354万円が30年度は1002億円と94%も激減した。中央官庁や国の機関が法令を順守し、交付金対象に目を光らせ、税金を適切に使うようになったということならいいが、どうもあやしい。3年前の27年度をみると標記件数455件、指摘金額1兆2189億4132万円と21年度に次ぐ指摘金額となっているのだ。31年度以降、再び指摘金額が増加しない保証はない。

 来年の開催中止が決まった「桜を見る会」にしても、この数年間は毎年1700万円あまりを予算計上していたのが、来年度(2020年度)は5700万円の概算要求に膨れ上がっていた。国民、納税者の知らないところで予算の膨張、税の無駄遣いが行われている可能性は極めて高い。国民(納税者)のためにメディアは本腰を入れて各省庁の予算の概算要求や予算執行の裏側をしっかりとチェックし、実態を伝えてほしいものである。

(文=山田稔/ジャーナリスト)

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