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小谷寿美子「薬に殺されないために」

薬剤師が教える!二日酔いには「ハイチオールCプラス」「ハイウルソ」が効く

文=小谷寿美子/薬剤師
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「Getty Images」より

ひと昔前の会社では飲みニケーションが当たり前だった

 かつてのドラッグストアは今でいう「ブラック企業」で、シフトの時間以外にいろいろなことをやっていました。レジや接客で一日が終わった後、発注や商品補充が結局、時間外労働になってしまい、それが終わるまでは帰れませんでした。歯磨きのスタンディングチューブの向きがそろっていないと怒られていました。さらに、「薬剤師は給料泥棒だからその分働くように」と言われていました。それが終わったら、店長に「もつ煮行くぞ」と連行され、先輩社員たちともつ煮とビールで終電まで付き合わされていました。もちろん店長のおごりなのですが、酒の苦手なわたしには「苦行」としかいえませんでした。

 そうはいっても先輩社員たちとの距離が縮まっていたのも事実でした。無資格者である先輩社員より薬剤師である私のほうが給料はもらっていたのですが、それでも先輩社員から古着やお菓子をもらったりして、たくさんお世話になりました。私はその後、調剤店舗に配属されて別々の道を歩むことになりました。

 その先輩社員の結婚式に参列させてもらったのですが、宴という酒を飲まなくてはならない「苦行」が始まりました。その宴は3次会まで進みました。「明日仕事ですから」といっても「大丈夫、大丈夫!」と聞いてくれずビールが注がれるのでした。翌日は自分の予想通り頭が働かず、体も動かずついに「調剤過誤」(患者さんに間違った薬を渡すこと)をしてしまいました。もちろん宴の席のメンバーが責任を取ってくれるわけもなく、粛々とその後の対応に明け暮れるのでした。これ以降、私は酒対策を本気で考え実践し続けたのでした。

アルコールは肝臓に悪い

「アルコールは肝臓に悪い」のは有名です。このアルコールは解毒されるために肝臓に集まります。そこでアルコール脱水素酵素によりアセトアルデヒドができます。このアセトアルデヒドはアルデヒド脱水素酵素により酢酸に変わります。酢酸は筋肉や心臓に移行して、熱エネルギーをつくる経路の中に取り込まれます。そこで酢酸から熱エネルギーをつくり、その燃えカスが二酸化炭素と水になります。

 途中でつくられるアセトアルデヒドという物質はとても不安定で、何かとくっついて安定になろうとします。タンパク質につくと、タンパク質を変性させます。脂質につくと脂質を変性させます。肝臓自身もタンパク質や脂質でできているわけですから、変性してしまうと肝臓としての役割を果たせなくなります。

 また、アルコールは腸内細菌が出す毒素(エンドトキシン)を小腸から門脈へ移動させる働きがあります。そして門脈からエンドトキシンが肝臓へ集まってくると、エンドトキシンを攻撃するために免疫システムが起動します。攻撃のための化学物質がたくさん出されるのですが、敵のみならず味方である肝細胞も破壊されてしまいます。

 このようにしてアルコールは肝臓をだめにしていくのです。一度にアルコールを大量に摂ると、解毒のための酵素が足りなくなります。特に日本人はアルデヒド脱水素酵素の働きが弱くアセトアルデヒドが溜まりやすくなるので、肝臓への負担がさらに大きくなります。

二日酔いに効果がある薬

 二日酔いと倦怠感に効果があるのが、「ハイチオールCプラス」です。このハイチオールCですが、テレビCMの影響でしみやそばかすを薄くする薬だと思い込んでいる人が多いですが、効能効果に「二日酔い」「倦怠感」と明記されていて、正真正銘のアルコール対策薬です。テレビCMのおかげで流通量が多く、ほとんどの店舗で採用されていることから、いつでもどこでも手軽に準備することができるありがたい薬です。

 添付文書には「二日酔いの原因は、アルコールを代謝する過程で生成されるアセトアルデヒドという物質です。ハイチオールCプラスは、アセトアルデヒドの分解を助け、二日酔いの症状を改善します」と書いています。さらに倦怠感については、次のように記載されています。

「何らかの原因で体の代謝が滞ると、エネルギーが効率よく産生できず、疲れやだるさを感じるようになります。ハイチオールCプラスは、栄養素をエネルギーに変換する酵素の働きを助け、体内エネルギーの産生をスムーズにすることで疲れやだるさを取り除きます」

 二日酔い、だるさに対して、効果が認められています。効能効果に「二日酔い」「倦怠感」と明記してある薬品は、有名なところではハイチオールシリーズ以外にありません。

 ここで、「みんながよく飲んでいるあの液体ドリンク剤は、二日酔いに効かないのか?」と疑問に思うかもしれません。「ソルマック」が有名ですが、コンビニエンスストアでも買える指定医薬部外品の商品が3種類と、第2類医薬品である「ソルマックプラス」「ソルマックEX2」があります。

 私は薬剤師であり第2類医薬品を販売する資格がありますから、必要な方には医薬品を勧めます。ちなみに、これらの違いですがEX2は1日1回タイプ、プラスは1日2回タイプとなっています。ソルマックプラスの箱に2本入っているのは、1日2本飲んでほしいからなのです。そういっても、1本飲んで終わりにする人が多いですが。

 これらの効能効果をよく見ると、二日酔いに関するところでは「はきけ(二日酔い・悪酔のむかつき、むかつき、胃のむかつき、嘔気、悪心)」と書かれています。二日酔いなどで気持ち悪くなった症状を抑える効果があります。飲みの席では結局食べすぎるので、消化不良や食べすぎといった効能効果が明記されているこうした液体の薬を飲んでおくのは、理にかなっています。

 液体の薬はどうしても割高になってしまうので、食べすぎ飲みすぎによる諸症状に効果がある「ハイウルソ」を事前に買っておいて家に備蓄してあります。この薬のいいところは、食前食後関係なく飲めるところにあります。肝臓の機能を上げる「ウルソデオキシコール酸」と消化酵素、健胃生薬が含まれています。宴の日程がわかっているときは食前に飲んでおくようにしています。

(文=小谷寿美子/薬剤師)

小谷寿美子/薬剤師、NRサプリメントアドバイザー

小谷寿美子/薬剤師、NRサプリメントアドバイザー

薬剤師。NRサプリメントアドバイザー。薬局界のセカンドオピニオン。明治薬科大学を505人いる学生のなか5位で卒業。薬剤師国家試験を240点中224点という高得点で合格した。
市販薬も調剤も取り扱う、地域密着型の薬局チェーンに入社。社歴は10年以上。
入社1年目にして、市販薬販売コンクールで1位。管理薬剤師として配属された店舗では半年で売り上げを2倍に上げた実績がある。

市販薬、調剤のみならずサプリメントにも詳しい。薬やサプリメントの効かない飲み方、あぶない自己判断に日々、心を痛め、正しい薬の飲み方、飲み合わせを啓蒙中。

Twitter:@kotanisumiko

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