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山崎俊輔「発想の逆転でお金に強くなる『お金のトリセツ』」

スタバもアトレも…カードのアプリ化加速!ポイント何重取りも、ついに財布にカード0枚?

文=山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表
スタバもアトレも…カードのアプリ化加速!ポイント何重取りも、ついに財布にカード0枚?の画像1
アトレの店舗(「Wikipedia」より)

 この秋はポイントカードやプリペイドカードの世界で大きな変革がありました。タリーズがカードのアプリ化を実現、JRの駅ビル・アトレもアプリ化の本格展開を始めています。財布にポイントカードが0枚となる時代はやってくるでしょうか。

ポイントカードが財布を圧迫した……のは過去の話

 財布を圧迫するもののひとつにポイントカードやプリペイドカードがあります。私はポイントカード用ケース(「よつばと!」のダンボーデザインの名刺入れを流用)を使っていますが、一時期はこれがパンパンに膨らんでレザーが伸びてしまったほどでした。

 一方で、ファイナンシャルプランナーとして「割引のお得」を考えると、プリペイド使用によるその場の割引や、ポイントをゲットしたことによる後日の割引を捨てるにはしのびなく、ひたすらポイントカードを持ち歩く時期がありました。

 ところが、年々ポイントカードケースはスリム化してきており、とうとうポイントカードは3枚というところまできました。実はあなたのポイントカードも、カードレスにできるかもしれません。だとすれば、財布を圧迫しているやっかいごとから解放されることになります。

 今年に入ってからこの秋にかけてやってきた「アプリ化」のトレンドについてまとめてみます。

タリーズもカードをアプリ化 大手カフェチェーンは概ねアプリ移行を完了

 この秋、大きな変化があったのは「タリーズ」のプリペイドカードのアプリ化です。タリーズは、一杯ごとに10円を引いてくれるというプリペイドならではの割引が魅力で、Suica等の電子マネーにお店が対応していても、割引率を考えるとカードを手放せないお店でした。

 これがアプリ化をし、またクレジットカードからのオンラインチャージにも対応しました。これにより「クレカチャージに際してポイントゲット」+「一杯ごと10円割引」の二重ゲットが可能になったわけです。

 現在、大手コーヒーチェーンでは、以下のプリペイドカードがアプリ化を完了しています。

「スターバックス コーヒー」

「ドトールコーヒー/エクセルシオールカフェ」

「上島珈琲店」

「サンマルクカフェ」はポイントカード機能のみですが、アプリを使えます。「コメダ珈琲店」はアプリは独自プリペイドカードのコメカでオンラインチャージのみ可能となっています。

 一気に変化があったのは、スタバがポイント機能を含むアプリ化を一気に進めたことでしょう。LINEと連携したカード発行、チャージもできますが、これがかなりお得です。

 スタバ、ドトール、上島珈琲店、タリーズと4枚のプリペイドカードを持ち歩いていた私のような人は、いきなりカードケースがスリムになったわけです。

 アプリ化した場合の魅力としてやはり大きいのは、オンラインチャージできることです。クレジットカードのポイントを手にしつつ、プリペイドによるカフェの割引も二重にゲットできるわけです。

 先に述べたスタバでは、LINEでカードを発行しておくとLINEポイントをチャージに使うこともできます(ただしスタバのほうのポイントを使うためにはスタバアプリの設定が必須)。

駅ビル、アトレが本格的にアプリ移行

 ポイントを三重取り以上したいと考えるとき、駅ビルなどのポイントカードは重要です。つまり「クレカからチャージしてポイント獲得」「電子マネーの利用でポイント獲得」に加えて「お店のポイントカードないしテナントビルのポイント」をゲットすれば最大四重取りもできることになります。

 ららぽーと、東京ドームシティ、アトレ、あるいは各地のテナントビルがそれぞれポイントカードを発行しています。電車乗り換えの都合や職場とのアクセスなどを考えながら、ヘビーユーザーはテナントビルのポイントカードを作成していました。しかし、カードを提示することの面倒さと持ち歩くことの負担はあって、「駅ビルのポイントカードはまあいいか」と諦めていた人も多かったはずです。

 これも移行が進んでいます。東京ドームシティはカードの端末更新のタイミングでアプリ化を進めました(かつてはおサイフケータイ機能を使っていたので、スマホ対応はAndroidに限られていた)。

「三井ショッピングパークアプリ」は全国のららぽーとやラゾーナ川崎のような商業施設で使えるアプリですが、これもアプリ化しておけば毎日持ち歩かなくてもお出かけ時に取り逃しを防ぐことができます。

 そしてここ数カ月、一気に前進したのはJREポイントカードを擁するアトレなどのJR東日本の駅ビルです。もともとJREポイントがたまったとき、これをモバイルSuicaへチャージする機能はアプリとしてあったのですが、アプリのポイントカード機能は一部店舗でしか利用できませんでした。

 この秋、ついに店舗拡大が進み始めました。JREポイントのホームページにはスマホアプリの対応箇所を地図で紹介していますが、山手線沿線のアトレのほとんどが対応しています。対応した駅ビルでは各テナントのレジにバーコードリーダーが設置され、アプリからポイントをためられるようになりました。

 秋葉原アトレをよく利用する(というかそれ以外ではめったに利用しないくらい利用が偏っている)私としては、今回の対応により、とうとうカードを自宅に置くことができるようになったわけです。

紀伊國屋書店もついにポイントカードのアプリ化を実現

 書店でも、実店舗としては国内最大の紀伊國屋書店がポイントカードのアプリ対応を今年1月に実現しました。三省堂、ジュンク堂、ブックファーストはそれぞれアプリ化を早期に実現していたので、これで「本を買うときのポイントカード」も提示不要になりました。

 書籍やマンガ、雑誌などは割引販売がないので、「ポイントカード(1%)」「電子マネーのポイント(Viewカード+モバイルSuicaで1.5%)」をゲットするかは大きな違いです。さらに駅ビル内の書店であればJREポイント等も手に入ります。

 マンガやアニメの専門書店でもアプリ化は進んでおり、アニメイトがすでにポイントカード機能をアプリ化していただけでなく、メロンブックスもとうとうスマホアプリの提示でポイントがつくようになりました。個人的にはこれもうれしいところです(メロンブックスはマンガの購入金額によりポイント還元率が上がるため、LINEPayと併用すると還元率が8%にもなる)。

ポイントカードを持ち歩かなくていい日がついにやってくる!

 紙のポイントカードから、カードタイプのポイントカードへ進化したとき、私たちはとても便利になりました。500円につきスタンプ1つだと、取りこぼしが多かったところ、きめ細かなポイント設定をしてもらえるようになりました。お店の側も顧客管理や分析にデータとして利用できるようになっています。

 今回、店側はアプリ化することにより「カードの発行管理」の負担も軽減されます。またメールアドレス等を登録必須とすることで、DMコストも負担軽減することが期待されます。

 私たちにとってはやはり「カードを持ち運ばなくてもいい」というメリットがあります。私は自分のポイントカードケースが1年前くらいにスリム化したことを自覚しましたが、この半年で一気に痩せることになりました。ポイントカードのアプリ化が急ピッチで進んだからです。

 私の持ち歩くポイントカードは以下の3枚です。

Tポイントカード(アプリ化されているが、一部店舗はカード提示が必要)

・カフェドクリエのポイントカード

・地元商店街のポイントカード

 こちらも時間の問題かなと思っていて、最後に残るのは「地元商店街」だけだろうと予想しています。これは高齢者も利用することを考えると、なかなか「カードレス」とはいかないと思うからです。

「ポイントカード、プリペイドカード0枚」の時代は、もうそこまで来ているのです。ぜひあなたも、財布のポイントカード、プリペイドカードがスマホのアプリに対応していないか確認してみてください。きっと、何枚も自宅に置いておくことができるはずです。

【おまけ】

 できればさらに減ってほしいのは、「スポーツジムの会員カード」とか「病院の診察券」です。実は診察券のアプリ化は少しずつ進み始めており「EPARKデジタル診察券」に対応している歯科医などは診察券がアプリ化するうえオンライン診療予約もそのままできたりします。行政では「マイナンバーカード」や「自動車免許証」をデジタル化する動きもあるようです。こうしたトレンドも加速してくれるといいなと思います。

山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表

山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表

1972年生まれ。中央大学法律学部法律学科卒業。企業年金研究所、FP総研を経て独立。個人の資産運用や老後資産形成のアドバイスが得意分野。日経新聞電子版やYahoo!ニュースなど多数連載を持つ。月間PVは200万以上。
フィナンシャル・ウィズダム代表 ファイナンシャルプランナー
financialwisdom

Twitter:@yam_syun

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