安倍氏「桜」問題、田崎史郎氏「年内に1時間で終えることが大事」と火消しに躍起の画像1
安倍晋三首相(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 26日放送の情報番組『ウェークアップ!ぷらす』(日本テレビ系)で、自民党の安倍晋三前首相と親交の深い元時事通信特別解説委員の政治ジャーナリスト・田崎史郎氏の“独特な解説”が物議を呼んでいる。この日の番組では、安倍氏が25日、自身が主催する「桜を見る会」前夜祭の収支を政治資金収支報告書に記載していなかったことについて、「(費用の補てんについては)知らなかった」と謝罪と釈明を繰り返したことを詳報していた。

 田崎氏は安倍氏の虚偽答弁そのものに関して「今まで積み重ねてきた答弁が嘘でした、と。そんなに軽い話じゃないんです」と不快感を示しながらも、一連の釈明全体についてワケ知り顔で次のように解説したのだ。

「大事なのは(質疑を)年内に終えることと1時間で終えること。悪い影響を最小限に抑えたと思う」

 田崎氏のような一連の騒動に対する“火消し”とも思われる大手メディアの主張が相次いでいる。読売新聞は26日付朝刊の社説『安倍氏答弁 国会軽視が重大な事態招いた』で次のように主張した。

「野党は、来年の通常国会でも前首相を追及する構えだ。ただ、今回の不記載は、国政全般を揺るがすような問題とは言えまい。スキャンダルの追及に明け暮れるだけの国会にしてはならない」

一連の騒動は自民党内派閥抗争によるマッチポンプ?

 騒動を「年内で終えること、1時間で終えること」は、いったい誰にとって大事なことなのだろうか。自民党若手衆議院議員の秘書は次のように語る。

「自民党全体としてみて正直、このやり方で良かったとは言えない気がします。次の選挙、大丈夫かなと不安です。そもそも一連の騒動は、安倍さんをもう一度(首相に)担ごうと清和政策研究会(清和会、細田派)が活発に活動を始めたことに不快感を抱いていた菅義偉首相や二階俊博幹事長率いる志帥会(二階派)が、マスコミをたきつけて大騒ぎになったと噂になっています。志帥会としては一連の疑惑が再燃したことで、党内にくすぶる『安倍さん再登板説』に一定の掣肘を加えることができて満足でしょう。

 しかし、清和会にしても志帥会にしても前政権時に一緒に安倍さんを担いでいたことに変わりはなく、炎上し続ければ党全体としてよろしくないという……。そんなマッチポンプであることが薄々、有権者にわかり始めている。これだけ世論が盛り上がっているのに党幹部の思った通りになるのか疑問です」

 新型コロナ感染症拡大が深刻さを増す中、国会で審議しなければならないことは山積している。重要法案の審議を優先すべきなのは当然だ。だが自民党内の主要派閥の意向に沿って、大手メディアが安倍氏の責任追及報道を終わりにする理由にはならないのではないか。

 憲政史上、総理大臣が国会で118回にわたり虚偽答弁をしたことはない。菅首相の出生地、秋田県の秋田魁新報は25日付朝刊コラム『北斗星』で次のように報じた。

「▼『事務所側が補填した事実は全くない』と国会で大見えを切っていたが結果的にうそだった。118回中、事務所側の関与否定70回、会場のホテルの明細書関係は20回。これでは安倍氏の発言自体疑わしくなる

▼昨日の会見では補填は『私が知らない中で行われた』と責任を秘書に帰すかのように語った。『私の政治責任は極めて重い』と答弁を正す考えも示した。ただし一連の経緯を振り返れば、この人の言葉を信じるのは難しい」

 果たして自民党主要派閥の思惑通りに、あの安倍氏の釈明で有権者は納得したのだろうか。答えは次の選挙で明らかになる。

(文=編集部)

 

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