コロナ禍の影響もあってか、非接触で支払いができるスマホQR決済を利用する人は増加しており、4月調査において54%の利用率となった(インフキュリオン「決済動向2021年4月調査」)。各サービスで加盟店舗も増えており、日常的に利用している人も多いが、特に使う頻度が高いのはコンビニエンスストアではないだろうか。
各コンビニでは複数の決済サービスが利用可能だが、それぞれのチェーンでお得なペイ払いがある。そして、その使い勝手も含めて刻々と進化しているのだ。そこで今回は3大コンビニ別の最新“最得”サービスを紹介していく。
ファミリーマート
ファミマで利用するにあたっては、やはり独自アプリのFamiPayをおすすめしたい。FamiPay決済時の基本還元率は0.5%だが、最大1.5%まで上げることが可能だからである。FamiPayは銀行口座、現金、クレジットカードからチャージが可能。残額が足りない時にレジから現金をすぐにチャージできるのは使い勝手が良くて便利だ。
しかし、還元率を高めたい人は、クレジットカードチャージにしてほしい。FamiPayにチャージできるクレジットカードは「ファミマTカード」のみだが、このカードからチャージを行えば利用額に応じて0.5%のFamiPayボーナスが還元される。
これで、通常決済時と合わせて1%還元を達成したが、あとの0.5%はTカードの提示によって得られるTポイントの還元だ。FamiPayにTポイントカードを連携すれば、わざわざ個別に提示せずとも支払い時のワンスキャンで還元が受けられる。
ちなみに、ファミマTカードでそのまま決済すれば2%のTポイント還元があり、そちらのほうがお得に思える。しかしFamiPayアプリには、限定クーポンやスタンプを貯めることで無料でもうひとつもらえる等のキャンペーンも多いため、FamiPayで支払ったほうがお得になるケースが多いのだ。
ちなみに現在FamiPayでは水曜と土曜限定でポイント2倍キャンペーンを行っている。さらに8月23日までは銀行口座などと連携することでFamiPayボーナスが40倍になるという破格のキャンペーンも実施していた。
この場合仮に水曜に1000円分の買い物をすれば、10ポイントと200円分のFamiPayボーナスの受け取りが可能で、実質21%還元となるのだ。ほかにも10杯の料金で11杯分使えるファミマカフェ回数券はFamiPayでしか購入できないなど、メリットが多い。ファミマでの利用はFamiPayの1択だろう。
セブン-イレブン
セブンでお得なQR決済はPayPayである。ただ、利用するにあたってはセブン公式アプリとの連携が必須なので注意してほしい。もともとセブンは2019年7月に独自QRコード決済「7pay」を開始していた。しかし、提供直後に不正利用被害が続出し、被害総額3000万円超えの大騒動に。そして、わずか2カ月後の9月末に同社はサービスの停止を発表。これを受けて、セブンはPayPayとの連携に舵を切り、今年2月末にようやく実施されたのだった。
PayPayの基本還元率は0.5%。月間利用額や回数などに応じて1.5%まで上げることは可能であるが、このハードルはなかなか高いため、今回は基本還元率をベースに話を進めていく。
セブンアプリにPayPayを連携すれば、アプリから直接PayPay決済が可能だ。その際にはPayPayボーナスだけではなく、セブンマイルも利用額に応じて0.5%貯まる。ちなみにセブンマイルは電子マネーのnanacoに変換できたり、セブン&アイ・ホールディングスで使える特典クーポンと交換ができたりと使いようによってかなりお得になるものだ。つまり、セブンアプリでPayPay 決済を行えば、0.5%のPayPayボーナスと同じく0.5%のセブンマイル、合計1%の還元が受けられるのだ。
また、特定の商品を買うことでランクが上がるバッジ制度も、決済と同時に貯めることができる。バッジを獲得すれば限定のキャンペーンに応募できたり、商品がもらえる特典を受けられるので貯めておいて損はない。さらに、10杯買うと1杯無料になるコーヒーのスタンプラリーなども自動で貯まるため、セブンアプリ内のPayPay決済は1度のバーコード読み取りでいくつものお得さがあるのだ。
PayPayでは毎月多くのキャンペーンが開催されている。セブンに関連したキャンペーンでいえば、9月12日までソフトバンクユーザーは日曜日限定で5%還元が受けられる。同時にペイペイジャンボも開催され、支払いのたびに福引き抽選、1等は支払い金額の1000%が戻ってくる可能性もあるという。
仮にソフトバンクスマホユーザーが日曜日にセブンで1000円分支払ったとすれば、50円分のPayPayボーナスと5セブンマイルが貯まる。キャンペーンがない場合、PayPayボーナスは5円分だけだが、セブンアプリ内のクーポンやバッジ、スタンプなども同時に貯まるので、他の決済サービスよりもスマートかつ楽に買い物が可能なのである。
ローソン
ローソンにおいて、お得さと手軽さを兼ね備えているのはauPAYだろう。auPAYの利用で還元されるのはPontaポイントなので、同ポイントと提携しているローソンとの相性も良く、ローソン商品の割引などのキャンペーンも頻繁に行われている。
また今年初めにauPAYがローソンアプリ内で利用可能になり、ローソンアプリ内でPontaカードの提示と決済が完結するようになった。ただし、ひとつのバーコードで済むわけではないので、セブンとPayPayほどの使い勝手の良さはないことに注意したい。
auPAYのチャージ方法には現金、クレジットカード、銀行口座があるが、この点においてもローソンでの使い勝手の良さが目立つ。現金ではローソン銀行からチャージ、またローソンの店頭でauPAYプリペイドカードにチャージができ、銀行口座においてもローソン銀行の登録が可能になっている。
ただし、もっともローソンでお得にauPAYを使うとすれば、au公式クレジットカードである「auPAYカード」からのチャージをおすすめしたい。auPAYカードからチャージすると利用額に応じて1%のPontaポイントが還元される。また、auPAYでの決済でも0.5%の還元が受けられるので、合計1.5%還元となるのだ。
さらにローソンではPontaカードの提示で0時~15時59分は0.5%、16時~23時59分は1%の還元が受けられる。これを合計すれば、ローソンでのauPAY決済時は2~2.5%のPontaポイントの還元を狙うことができるのだ。しかも、前述のようにローソンアプリ内から提示、決済がシームレスに行えるようになっているため、手間がかからない。
また8月31日まで「たぬきの大恩返し夏」と題し、ローソンでのauPAY決済で10%還元(ベースの0.5%還元を含む)を実施中だ。例えば、auPAYカードからチャージを行い、16時~23時59分の間に買い物をすれば12%の還元を受けることができ、1000円分の買い物をすれば、120ポイントが返ってくることになる。
今回に限らずauPAYでは、ローソン向けのキャンペーンを常に行っているため、ローソンユーザーであればお得かつ、効率的に還元を受けられる手段はauPAY決済ということになるのである。
それぞれのコンビニに合わせたペイ払いやクレジットカードを用意するのは面倒に思えるが、一度セットしてしまえば、レジに並んでいる間にすぐ準備できる。その分、支払いの手間はかからない。最近はコンビニでもセルフレジが増えてきているが、ペイ払いならよりスマートに済ませることができる。
ペイ払いを駆使すると、キャンペーンによってお得なコンビニが刻々と変わっていくため、買い物に行く前にアプリをチェックして、今日行くコンビニを決めることから始めてみてはいかがだろうか。
(取材・文=清談社)