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熱中症の救急搬送が続出、急速に重症化し命の危険も…どう予防する?

文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
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熱中症の救急搬送が続出、どう予防する?
猛暑が続くなか、熱中症対策は重要(画像は「Getty Images」より)

 まだ6月だというのに東京では連日猛暑日(35度以上)を記録、西日本や東日本でも気温は30度を超える厳しい暑さとなり、熱中症リスクが高い日が続いている。各地の学校で熱中症による救急搬送が相次ぎ、厚生労働省も注意を呼びかけている。

 熱中症は重症化すれば命を脅かすこともあり、これからの季節、熱中症対策は非常に重要である。熱中症とその対策について、くぼたクリニック松戸五香院長の窪田徹矢医師に聞いた。

 一般に熱中症とは、暑さから来る体調不良や脱水症状という認識を持っている人が多いと思われるが、実際に起きる症状はさまざまである。

「熱中症とは、高温多湿な環境に長時間いることで、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態をいいます。熱中症の症状は軽度、中度、重症といった3つの段階で進んでいきます。軽度の段階で適切な対処をすることが必要ですね」

 窪田医師が解説する熱中症の症状は、下記の通りだ。

軽度:めまい・失神(立ちくらみ)、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)、大量の発汗

中度:頭痛、気分の不快、吐き気・嘔吐、倦怠感、虚脱感

重度:意識障害、けいれん、手足の運動障害、高体温

「熱中症になっても、軽症のうちは『ちょっと暑いな』という認識程度で大きな変化を感じないこともあります。しかし、熱中症は、あっという間に重症化することもあるため、油断は禁物です。おかしいと感じたら体温を測ることをおすすめします。普段より1度でも高い場合は、注意が必要です」

熱中症の応急処置

 熱中症が疑われる際は、応急処置を行ってほしい。

「涼しい環境に移し、衣服の締め付けがないように緩めて体内の熱を外に出すようにしてください。氷嚢などを準備できる環境であれば、首やわきの下、太ももの付け根を冷やし、体温を下げるとよいでしょう。経口補水液やスポーツ飲料などを摂取することが重要ですが、意識障害や吐き気や嘔吐の症状があり、自力で飲むことができない場合には、早急に医療機関を受診してください」

 軽度の熱中症では、応急処置で回復するケースが多いが、中度以上の熱中症の場合には、医療機関での処置が必要となるため、医療機関を受診すべきだろう。

熱中症を防ぐ方法

「熱中症の予防には、野外での活動時だけでなく室内で過ごす際も注意が必要です。屋内外ともに『暑さを避ける・服装の工夫・水分摂取』を心がけてください」

 暑さを避けるためには、屋外では、日陰を歩く、帽子や日傘を使い、さらに冷却グッズなどを使用することも効果的だ。屋内では、カーテンやブラインド、すだれなどで直射日光を遮り、扇風機やエアコンを使用し、室温28度、湿度50~60%を目安に調整することが推奨される。

 また、水分摂取に関しても注意が必要である。

「のどが渇く前にこまめに水分補給を行うことが重要ですが、コーヒーや緑茶などのカフェインが多く含まれている飲み物は利尿作用があり、アルコール類は代謝、排出される過程で体内の水分が奪われ、脱水を起こしやすいため適しません。汗をかく活動時は、補水液やスポーツドリンク、のどが乾く前に定期的に摂取する場合には、水や麦茶でよいと思います」

 窪田医師が、活動時には補水液やスポーツドリンクを推奨するように、運動時や炎天下での屋外活動では、大量の汗をかき、水分と一緒にミネラルやビタミンも失われるため、水だけを摂取していると、血液中のナトリウム濃度(塩分の濃度)が低下し、「低ナトリウム血症」という状態になり、悪化すると死に至るケースもある。くれぐれも大量の汗をかいた際は、補水液やスポーツドリンクを摂取してほしい。

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17:30更新
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