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2万人超が来場、コロナ感染爆発下で「世田谷区民まつり」開催…周辺住民が困惑

文=横山渉/ジャーナリスト
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開催前日に設営中の「せたがやふるさと区民まつり」会場のステージ

 東京・世田谷区の「第43回せたがやふるさと区民まつり」が今週末の8月6日と7日に、若林公園、松陰神社、国士舘大学世田谷キャンパスの3カ所で開催される。区民による手づくりの祭りとして、「ふるさと世田谷」で共に暮らす人々の連帯感や郷土愛を高めることを目指しているイベントだ。ふるさと物産展や各種出店コーナー、子どもコーナーやキャラクターショーなど、子どもから高齢者まで誰もが楽しめる催し物や出店が揃う。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で一昨年は中止、昨年はオンライン開催(ステージイベントの配信のみ)だったので、通常開催としては3年ぶりだ。今年は世田谷区政90周年の記念行事としても位置づけられている。

 しかし、7月に入って全国的に新型コロナの感染者が増え始め、特に東京都では1日当たりの新たな感染者が8月4日まで3日連続で3万人を上回り、現在の状況は第7波とされている。会場周辺の住民に配布されたチラシには「来場者数:約2万6000人」「商店街通りで流し踊りを行います」などと記されており、地域住民からは以下のように不安の声もあがっている。

「先日、会場になる若林公園を通った際に看板を見て、今年は祭りが開催されることを知って『嘘でしょ?』と思っていたが、ご近所さんとは『でもコロナ感染拡大もあるから中止でしょうね』と話していた。しかし、今週に入りウチのマンションに開催を通知するチラシが入っていて驚いた。コロナ前に開催されていたときは例年、ものすごい数の人が集まってごった返し状態になっていた。チラシには飲食コーナーや屋台、子どもコーナーなどもあり、ステージでは多くのイベントが行われる模様なので、人が密になるのは避けられないのでは」(40代女性)

「会場周辺はマンションや一戸建てがひしめく住宅街で、子どもがいる世帯も多い。とくに若林公園は普段から子どもを遊ばせる家族連れも多く、公園内は近くにある松陰神社前駅や世田谷区役所へ行く際に通り抜ける人も多いため、人の動線が太い。祭りの開催で周辺住民にコロナ感染が拡大しないか心配だとママ友たちと話している。とくに開催期間の2日間は会場に近づかないようにしたいが、スーパーや駅、商店街に行く際に会場近くを通らないようにするのは難しく、困惑している」(別の40代女性)

アルコールは禁止、感染防止対策はしっかり

 祭りの実行委員会事務局である世田谷区生活文化政策部 区民健康村・ふるさと・交流推進課に話を聞いた。

「7月1日に実行委員会で協議し、開催を決めた。しかしその後、感染が拡大したので、中止も含めて検討したが、国や都から『行動制限はしない』との発表もあり、22日に各協力団体に最終的に周知した」

 事務局には時折、不安をうったえる電話もかかってくるというが、想定していたほどの数ではなかったという。むしろ、祭りを楽しみにしていたという声のほうが大きかったようだ。実際、7月11日に公式ツイッターで開催案内したときは、107件の「いいね」が付いた。担当者は、感染拡大防止にも最大限配慮しながらの開催であることを強調する。

「感染対策は国や都の方針に従っている。飲食は飲食スペースでのみ許可、アルコールは禁止。飲食スペースは人数制限を設けている。3年前の祭りでは約4万人の来場者があったが、今年は芸能人のコンサート等大きなイベントがないため、2万6000人くらいに減る見込みだ」

イベント・自治体によって温度差がある

 7月17日、京都・祇園祭の最大の見せ場、「山鉾巡行」が3年ぶりに行われ、警察によると沿道には14万人の見物客が訪れた。徳島市の阿波おどりは、8月12日~15日に行われることが決まっている。演舞場の桟敷の収容率は75%程度に抑えられるものの、3年ぶりの通常開催だ。全国的に中止される祭りもあるが、3年ぶりの開催に踏み切った祭りも少なくない。

 一方、同じ夏の風物詩でも、東京の場合、花火大会は中止されるものが多い。例えば、隅田川、世田谷区たまがわ、足立、江東、いたばし、江戸川、これらすべて中止だ。全国的に有名なもので開催されるのは神宮外苑花火大会くらいなものだろう。ある花火大会を主催する自治体担当者が話す。

「お祭りでも花火大会でも、東京都と協議の上、感染防止安全計画を策定しなければならない。花火大会を中止にしたのは、観客に十分な距離をとってもらうことが担保できず、また、観客名簿も作れないから。とはいえ、開催するかどうかは最終的に主催者の判断であり、計画性と実行への強い意志を持っているかどうかだ」

 国任せで責任を回避したい自治体では、“日常”はいつまでたっても戻ってこないというわけだ。

横山渉/フリージャーナリスト

横山渉/フリージャーナリスト

産経新聞社、日刊工業新聞社、複数の出版社を経て独立。企業取材を得意とし、経済誌を中心に執筆。取材テーマは、政治・経済、環境・エネルギー、健康・医療など。著書に「ニッポンの暴言」(三才ブックス)、「あなたもなれる!コンサルタント独立開業ガイド」(ぱる出版)ほか。

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