なぜ人は『ドラクエ』をやるのか?高くて「操作性悪い」と不評のスマホ版なのに…
当然のことながら、ストーリー自体はなんとなく記憶に残っているのですが、細部まで鮮明に覚えているわけではありません。ぼんやりとしたままプレイしていて、突然何かを思い出す感じです。「あぁ、そうだ、そうだ」「初めてやった時も、ここで苦労したな」と思い起こしながらプレイしています。
このような不思議な感覚は、なんともいえず心地よいものです。しかしながら、そういった感じを味わいたいがゆえに、スマホ版をプレイしているわけではありません。
私が、過去にクリアした『ドラクエ』をまたプレイするのは、「スマホ版だから、どこでも遊べて、クリアまでたどり着けるぞ」という確信めいたものと、腹の底から湧いてくる「あぁ、『ドラクエ』か。やらないと」という説明不能の義務感からです。
アップルのアプリダウンロードサービス「App Store」の有料アプリのランキングを見ると、ほとんどの料金が120円や240円、360円というなか、1200円や1800円のものがあります。それらは多くがパチンコ・パチスロ関連なのですが、『ドラクエ』や『ファイナルファンタジー』のシリーズも混ざっています。
「スマホでゲーム」というと、ダウンロードは無料で、その後アプリ内で必要に応じて課金する、というケースを想像されると思います。そういったゲームの場合、メーカー側としては、「いかに課金に誘導し、長期的に遊んでもらうか」という意思が働きます。
私は、そういうタイプのゲームもいくつもプレイしましたが、どうにも続きませんでした。酔っぱらった勢いで何度も課金したこともありますが、やはり継続しませんでした。
「私は、アプリ内課金をするようなゲームは断じて認めん。許さん」と言うつもりもなければ、それをビジネスとしている会社を糾弾したいわけでもありません。スクウェア・エニックスにしても、『ドラクエ』をベースとしたアプリ内課金ゲームがあります。
バグすらも楽しめた昔のゲーム
また、『ドラクエ』などスマホ版にリメイクされたゲームの評判を見ると「操作性が悪い」などと書かれていることも少なくありません。もともと据置型ゲーム機用につくられたものを、そのまま移植している部分も大きいので、スマホでプレイするには無理があるというわけです。
私が今やっている『ドラクエ6』のレビューも、「戦闘シーンが遅い」「バグまみれ」「そもそもダウンロードができない」と散々です。私はダウンロードこそ正常にできましたが、プレイ中の押し間違いは頻発するし、途中で別のアプリを開いてしまい、いつの間にか『ドラクエ6』のアプリが終了していることもあります。