自炊のシステム化で超・時短!体内から有害物質を排泄する「キレート効果」食材リスト!
「キレート効果」のある食物
ところで、日本の年間の医療費は42.3兆円にも上ります。一方で、8割の医療機関が赤字ともいわれています。では、使われた巨額の医療費は、どこに消えていくのでしょうか。
今回取り上げた無給医問題でも、大学病院の経営は苦しいので、若手の医師に給料が支払えないと訴えているところもあります。ぜひ、経営改革をして、無駄を省き、余計な出費を控え、診療という貴重な労働をした人に対しては正当な対価を支払えるようにしてほしいものです。それ以前の問題として、医療費の流れの明確化が必要な時がきているのではないでしょうか。
このままの状態が続けば、若手の優秀な医師は育たなくなるでしょうし、大学病院も経営が立ち行かなくなるところが出かねません。今でも、疲弊した若手医師がミスを犯すということが現実に起こっています。このままでは、日本の医療が破綻してしまいます。
医療は重要な社会インフラのひとつです。しかし、この状態が改善されない場合、早晩、医療に頼ることができなくなる日が来るでしょう。要するに、自分のことや家族のことは、自分たち自身で守っていくしかない、ということになるのでしょう。それは今でも同様ですが、いざとなった時に医療に頼ることができないという事態は、誰だって想像したくもないでしょう。
自分たちを守るための“はじめの一歩”は、間違いなく「正しい食事」をすることです。正しい食事の基盤は、安全な食材を確保することです。どんなに気をつけていたとしても、現代社会の中で生活するということは、農薬や食品添加物や、化学的に合成されてつくられた調味料や、遺伝子組み換え農産物などから、毎日不要な重金属類、化学物質を摂取してしまいます。それらを完全に避けることは不可能でしょう。そのため、現代社会に暮らす私たちは、その有害物質を無害化したり、排泄してくれる、いわゆる「キレート効果」を持つ食材を十分に摂取しなければいけません。しかし、多くの人はそんなことにも気づくことなく、必要な栄養素がほとんど入っていない食事を続けています。
キレート効果が期待できる野菜類は、ニンニク、長ネギ、玉ねぎ、ニラ、アスパラガスなどのユリ科の野菜をはじめとして、キャベツ、ブロッコリー、大根、わさびなどのアブラナ科の野菜、そして、人参、セロリ、パセリなどのセリ科、ピーマン、パプリカ、じゃがいもなどナス科などの野菜に加えて、アカザ科のほうれん草、マメ科の大豆などです。
また、果物でキレート効果が期待できるものは、レモン、りんご、バナナ、ぶどう、柿、洋梨、そして、みかんやオレンジなどの柑橘類の皮などです。ワカメやヒジキ、もずくなどの海藻や、味噌、醤油をはじめとして、酢やぬか漬けなどの発酵食品にもキレート効果があると考えられています。
このような食品を、皆さんは日々、どの程度、摂取しているでしょうか。自分たちの健康は自分たちで守るという観点からも、もう一度、ご自身やご家族の食事内容を見直してみてはいかがでしょうか。これらの食品が食卓に上る頻度が高いほど、その家庭の健康レベルも高いといえます。
「忙しくて自炊なんてしていられない」という方こそ、家庭料理をシステム化して、時間短縮を図り、食事にかかる経費を節約し、栄養価の高いお食事を継続していただきたいと思います。
家庭料理のシステム化を実践する方の数が増えれば増えるほど、病気になる人の数は減り、したがって医療費が削減できます。それがやがては医療界全体を良い方向に導き、無給医問題の解決にも寄与することになることでしょう。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)