今日は、運動の是非についての議論です。“極端君”は「運動は体にいいから、毎日ジムとプールに通うことにした」と自慢しています。“非常識君”は、「運動はかえって体に悪いということも耳にするから、むしろまったくやらないほうが健康にいいと思う」という主張です。“常識君”は、「人はいろいろだから、適当にやればいいんじゃないの」というどっちつかずのコメントです。
さて、実は運動のやりすぎは体に害です。トライアスロンの選手などが、大会に向けて体調を最高のコンディションにもっていくと、結構風邪をひいたり、また帯状疱疹という病気になります。帯状疱疹とは、過去に感染した水ぼうそうのウイルスが隠れていて、免疫力が低下したときにそのウイルスが元気を取り戻して発症する皮膚の病気です。高齢者や疲れすぎ、またはがんなどで免疫力が低下したときなどにも生じます。つまり、運動のやりすぎは体に害だという証拠が確かにあるのです。
また、なんとなくジョギングを始めた人が、けがをするケースは結構あります。歩行は常にどちらかの足が地面に着いていますが、走る時には両足が地面から浮いている時間があります。そこから片足で着地するので、歩行時の数倍の力が膝にかかるともいわれています。運動をしたことのない人がジョギングを始めるときは、トレーナーなどの運動指導のプロに走り方を学んでからのほうが安心です。
そんな膝への負担が心配な方には、水中歩行をお勧めします。水の中に体があるので、浮力により膝への負担が相当軽減されます。つまり体重過多の人には、平地のジョギングよりも水中歩行がなにより安全ということです。
ところが、プールに入るまでにも事故が多いのです。プールは滑りますね。プールの中は安全でも、その安全な空間に移動するまでに危険が潜んでいます。プールサイドや更衣室との間の移動は十分に注意をしてください。また水中歩行ではなくて、プールで泳ぐことも健康にはいいはずなのですが、プールの水には細菌を退治するために塩素が使われています。この塩素が鼻に入るとアレルギー性鼻炎を引き起こしたり、アトピー性皮膚炎の症状を悪化させたりすることもあります。
さらに、マシーンを使用する筋トレも、自分の体への適切な負荷を知らないと、とんでもないけがの原因になります。筋トレもまずはトレーナーにしっかりと使い方、負荷の量などの指導を受けてから行いましょう。