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散歩がお勧め
そうすると、やはり非常識君の主張のように、運動はしないほうが実は安全なのかもしれません。ここで大切な視点は、運動やスポーツは体のためというよりも、気持ちがいいこと、つまりストレス解消の効用があることです。みんなでがんばる集団スポーツも、個人でタイムやスコアを向上させるスポーツも、また自分の筋力をアップさせる筋トレも、適切に行うと本当に気持ちがいいものです。
そして運動が苦手な方も、ぜひ散歩は行ったほうが健康にいいと確信しています。有酸素運動はとても体にいいのです。有酸素運動とは、息を止めずに呼吸をしながら行う運動です。そして、じわーっと汗をかく程度か、そのちょっと手前までの運動であれば、万人が行って問題ないと思います。
もちろん関節に障害がある人や、体の絶対安静が医学的に必要な人は例外です。しかし、少々体が痛くても、また医学的に適切な安静が必要でも、ずっとベッドに横になっているよりも、可能な限りの散歩は行ったほうが病気の治りもいいといえます。
運動という言葉にとらわれると、そしてその欠点を挙げると、運動をしないほうがリスクが少ないということにもなります。しかし、適切な運動、特に有酸素運動は健康長寿のため、認知症防止のためにも有効です。
何事にも適量があります。それを知って運動を行いましょう。お勧めの運動は、毎日30分の散歩です。これも個人差が当然あるのですが、ざっくりとこの数字を記憶しておくと有益です。やっぱり常識君の発言の範囲内で、気持ちがよく、かつ継続して行える運動を探しましょう。
(文=新見正則/医学博士、医師)
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