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大野智「医療・健康情報のウソ」

エセ科学で商品を宣伝する悪徳商法が蔓延!商売につながる「科学的情報」の欺瞞

文=大野智/医師、大阪大学大学院医学系研究科統合医療学寄附講座准教授

 悪徳商法も商売ですから、何かを売って利益を得ることが最大の目的です。これは悪徳商法に限らず、まっとうな商売をしている企業や個人でも同じです。そして売上を伸ばし利益を増やすために、宣伝・広告を行うのが世の常であることは周知の事実です。その宣伝・広告手法のひとつに、実験結果などの科学的な説明を用いることは当然あります。それは、決して否定されるものではありません。

 しかし、なかにはデタラメな実験結果を使ったり、むちゃくちゃな論理展開をしたりして、なんとなく科学的な説明をしてくるケースがあります。つまり、エセ科学です。しかし、前述の通りエセ科学を見抜くことは困難です。

 そこで、ちょっと極端かもしれませんが、悪徳商法に騙されないための解決策・対応策を紹介します(あくまで個人的見解です)。

 それは、「何かしらの商売につながっている科学的な情報は、その真偽のほどが定かではなくても、すべて宣伝・広告である」と認識し、警戒する態度をとることです。

 たとえば、科学的なデータを示しながら「これが体に悪い!」「これが健康に良い!」といった情報があったとします。その情報が、学術論文の解説記事など科学的な情報だけならば問題ありません。

 ですが、その情報をもとに商品が販売されていたら、それは宣伝・広告です。情報の発信者が利益を挙げるために、加工・脚色したものだと思って差し支えありません。なお、あからさまに商品を販売しているケースばかりではなく、自説を主張している書籍を紹介し印税で儲けたり、自身が開催するセミナーを案内して参加費で収入を得たりと、あの手この手で商売をしていることがあります。インターネットの場合、その情報へのアクセス数増加が発信者の利益につながっていることもあります。

 ですから、商売の臭いが少しでもするような科学的データを目にしたり耳にしたりした場合、「ちょっと怪しい」「何か裏があるかも」と疑ってかかることが、「エセ科学」を駆使した悪徳商法に騙されない唯一の防衛策なのだと思います。
(文=大野智/医師、大阪大学大学院医学系研究科統合医療学寄附講座准教授)

大野智/医師、大阪大学大学院医学系研究科統合医療学寄付講座准教授

大野智/医師、大阪大学大学院医学系研究科統合医療学寄付講座准教授

大阪大学大学院医学系研究科 統合医療学寄付講座 寄付講座准教授

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