ビジネスジャーナル > ライフニュース > うつ病の薬は無意味で危険?  > 2ページ目
NEW
新見正則「医療の極論、常識、非常識」

うつ病の薬は無意味で危険?いや、必要?米国では販売推進の医薬品企業に罰金命令

文=新見正則/医学博士、医師

 非常識君の反論です。

「子供に安易にSSRIの販売促進をしたとして、アメリカ司法省が医薬品メーカーに30億ドル(3300億円)の罰金を命じていることはご存じですか。同じような罰金は他のメーカーも支払っています。そして、罰金を払って、その後も同じ薬剤の販売は続いています。こんな情報が医療サイドからしっかりと発信されていないことも大問題と思いますが。だからこそ、うつ病やうつ病もどきは、薬剤などは飲まずにまず休息で様子を見れば良いのではないでしょうか」

 極論君の意見です。

「うつ病患者は自殺念慮があります。ですから、うつ病の人を励ますことはやってはいけないことです。実際に医師国家試験にも出題されています。ですから、しっかりと薬剤で治療すべきです」

 すると、常識君が仲裁に入ります。

「SSRIや向精神薬が日本では必要以上に使用されているのかもしれません。でも、心の病に対する薬が必要な人が皆無とは思えません。専門家の視点から適正使用を啓蒙することが、何より大切に思えます。患者さんもできれば薬に頼らずに、休息を取ることも必要かもしれません。お話がしやすいかかりつけ医を見つけて、そんな相談をすることが大切なのではないでしょうか」

 非常識君、極論君、常識君が思い思いの意見を述べて終了となりました。答えは簡単には見つかりませんでした。
(文=新見正則/医学博士、医師)

新見正則/医師、新見正則医院院長

新見正則/医師、新見正則医院院長

外科専門医 /消化器病専門医 /消化器外科専門医 /消化器内視鏡専門医
慶應義塾大学医学部卒業後、外科医として研鑽を積む。大学病院や関連病院で診療にあたるほか、英・オックスフォード大学にて博士課程を修了。
新見正則医院 公式サイト

うつ病の薬は無意味で危険?いや、必要?米国では販売推進の医薬品企業に罰金命令のページです。ビジネスジャーナルは、ライフ、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!