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駆け足で4点だけ紹介したが、もちろん、これは一端にすぎない。古生物分野だけでも、「恐竜類」という言葉をつくったリチャード・オーウェンの「ケサイの大臼歯化石」や「モアの全身骨格」、近代地質学の父であるチャールズ・ライエルが研究した「コケムシ化石」や「『地質学原理』の初版」、そのほかにも持ち主が不幸に襲われてきたという「呪いのアメジスト」、チャールズ・ダーウィンの「直筆原稿」と彼の本来の“専門”でもある「カメノテ」(フジツボ)の標本、世紀の贋作事件「ピルトダウン人の頭骨」など、“価値がわかる人”にとっては垂涎の標本が並んでいる。その意味で、個人的には事前の予習をいつも以上におすすめしたい企画展である。
来館は金曜夜が狙い目!「始祖鳥のせんべい」も
企画展の最後には、ギフトショップが設けられている。
このギフトショップでは、ぜひ図録の購入をおすすめする。この図録、おそらく企画展に慣れた方であれば、筆者と同じ感動を味わっていただけると思う。なにしろ、ハードカバーである。これほどしっかりとした装丁の図録は、なかなか珍しい。
図録内には、標本写真が簡単な解説とともに掲載されている。この写真が鮮明で美しい。各ページのデザインは統一され、さながら「大英自然史博物館コレクション写真集」である。同じく同店内で販売されている始祖鳥のせんべいでもつまみながら、ゆっくりとページをめくり、感動の再確認といきたいところだ。
図録と始祖鳥のせんべい(撮影=オフィス ジオパレオント)
なお、訪問のおすすめは金曜日の夜。通常、国立科学博物館は17時の閉館(ゴールデンウィーク期間中は18~21時)だが、金曜日と土曜日は20時まで開いている。筆者の体感にすぎないかもしれないが、金曜夜は子どもや団体観光客が少なく、大人がゆっくり楽しめる時間となっている(土曜夜については筆者は未確認である)。プレミアムフライデーならずとも、金曜夜に上野に足を運ばれてみてはいかがだろう。
(文=土屋健/オフィス ジオパレオント代表、サイエンスライター)
【参考資料】
『メアリー・アニングの冒険』(朝日新聞社/吉川惣司、矢島道子著)
『ジュラ紀の生物』(技術評論社/群馬県立自然史博物館監修、土屋健著)
『ARCHAEOPTERYX: The Icon of Evolution』(Pfeil, Dr. Friedrich/Peter Wellnhofer 著)
『ジュラ紀の生物』 魅惑的な古生物たちの世界。 知的好奇心をくすぐり、知的探究心を呼び起こし、そして何よりシンプルに面白い。 そんな世界を、みなさまにお届けします。 生物ロマン溢れるジュラ紀。 この時代を生きた生物たちの姿を垣間見よう。
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