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大量殺人などで注目される「責任能力」…刑罰が科されない「精神障害者」、再犯の恐れは?

取材・文=里中高志

――医療観察法病棟では、どのような治療や教育が行われるのでしょうか。

平林直次氏(以下、平林) 医療観察法病棟に入院する精神障害者の8割は統合失調症です。どのような病気でも、まずは自分の病気について理解するのが治療のスタートになると思います。この病棟でも、薬物療法に加え、まずは自分が罹っている病気を学び、事件を起こしたときの病状について理解してもらいます。

 そして、どのようなストレスがかかると、そのような病状が起こりやすいかを振り返ってもらいます。さらに、今後、同様のストレスがかかったときに、再発を予防するために必要な治療や、自己対処方法を学んでもらいます。

 これらのプログラムは半日程度かけて行われ、そのほかの時間はゆっくりと過ごすことになっています。

――病棟の中は、どのような環境なのでしょうか。

平林 個室になっており、テレビも自由に見ることができます。読書も医学書から娯楽本、漫画まで可能です。病棟内にはゲームも置いてあり、本人が持ち込む場合もあります。

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