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ビジネスパーソンこそ「ツーブロック」にせよ!好感度&清潔感アップ、薄毛もカバー

取材・文=小澤佐知子/美容ライター
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ツーブロックの例

 ヘアスタイルは、人の好感度や清潔感を左右する重要な要素のひとつ。最近のビジネスパーソンの間では、老若を問わず多くの男性に「ツーブロックヘア」が注目されている。

 ツーブロックと聞くと、「オシャレ男子」「20代のモテ髪」という印象を抱く人は少なくない。今夏の東京都議会で、都立高校の一部が校則でツーブロックを禁止しているとして、是非が問われた。その際、都教育委が「外見等が原因で事件や事故に遭うケースなどがある。生徒を守る趣旨から定めている」と答えて嘲笑された。そんな不合理にも思える“ブラック校則”が話題になったのも記憶に新しい。

 ところが、最近では30代半ばから40代の“大人世代”の間でもツーブロック人口が増えている。

 ツーブロックとは、内側を短く、または刈り上げたスタイル。トップからサイド(耳上)にかけて2つのセクションで異なるデザインに仕上げた髪型だ。EXILEや三代目J SOUL BROTHERSのメンバーに2ブロックスタイルが多く、強面でいかついイメージがあるかもしれないが、今やビジネスパーソンにもツーブロックが浸透し、高支持率をキープしているのには合理的な理由があるのだ。

 幅広い世代のメンズ顧客を持ち、美容業界誌でもビジネスパーソン向けヘアを数多く手掛ける美容室「MAGNOLiA」のディレクターで美容師のDAISUKEさんに聞いた。

理想の上司やおしゃれオヤジは、いち早くツーブロックを取り入れている

 DAISUKEさんによると、ツーブロックヘアはここ数年で、より身近なヘアスタイルになっているという。

「お笑い芸人の設楽統さん(バナナマン)や加藤浩次さん(極楽とんぼ)など、朝の情報番組の司会者として、スーツ+ツーブロックの姿が好感を得ています。これは、今までのアナウンサーヘアとは一線を画すところ。また、かつて“ちょい悪オヤジ”ブームをつくったファッションディレクターの干場義雅さんもツーブロックスタイルです。

 いずれも、ビジネスパーソンからの人気が高く、理想の上司にランクインされるような方々。そんな“大人世代”の男性が、ビシッと決まったスーツにさらりとツーブロックを合わせて今っぽい上司像を牽引しています。ツーブロック=強面というイメージから、“爽やか上司”に印象がシフトした要因のひとつといえます」

 トレンドとなった要因のもうひとつは、デザインだ。

「一昔前は、刈り込み部分の面積が広かったり、刈り込みが深いデザインが主流でした。最近は、浅めに刈り込むナチュラルな“ソフトツーブロック”が主流です。バーバーカルチャーを入れつつ、ヘアサロン的なナチュラル感を盛り込むミクスチャーデザインがメジャーとなり、どなたでも取り入れやすくて人気です」

 さりげなく今っぽさを取り入れる――これは今や“できる上司の身だしなみ”のスキルなのかもしれない。

ポイントは前髪、ソフトツーブロックで薄毛もカバー

 ミドル世代こそ挑戦したい“ソフトツーブロック”だが、「髪の量が豊かでないと」と尻込みするのは早計だ。

 例えば、薄くなったトップをごまかすために全体を伸ばすより、オシャレ坊主のようにある程度短くして、薄い部分とのコントラストをなくすほうが薄毛はカバーできる。つまり、髪の長さで誤魔化すのは逆効果なのだ。

「サイドをソフトに刈り上げると、全体で見たときにメリハリが出て量感がアップしたように見えます。そこで決め手となるのが、前髪デザイン。全体が短いツーブロックなら、加藤浩次さんのように前髪をアップにすると好印象。爽やかで落ち着いた印象を与えます。

 ただし、M字薄毛を気にする方はアップに躊躇するところ。そんな場合は、トップから前髪はやや長めに、そして前髪は深く分け目をつくって、さりげなく片サイドの額を隠すように流すと薄毛カバーも完璧です。オシャレ感も生まれ、若々しい雰囲気になります」

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Before 髪は細め。以前に比べ、生え際の毛量が減ったというモデル
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After ツーブロックにしてパートを深めにとりながら、7対3風の前髪でメリハリをプラス。M字額も目立たなくる。別人のような“頼れるいい男風”のビジネスパーソンに大変身
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Before 量が多く、広がりやすい髪質。
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After サイドからトップにかけてグラデーションで密度を与えながら刈り込む。爽やかさが増し、スーツ姿ならばさらに好印象。小顔感も増した。

加齢による軟毛や細毛タイプの秘策とは?

 トップや前髪の毛に動きを感じるソフトツーブロック。エイジングによる細毛タイプの場合、どうすればクールに決まるのか。

「髪に強度を与えるドライワックスを使うのが秘策ですが、もっと効果的なのがパーマです。パーマと聞くと、うねったりチリチリすると思うかもしれませんが、実は根元を起こすだけのパーマもあります。うまく用いると、髪1本1本が立ち上がります。

 細毛の人でもスタイリングが楽になりボリュームも出るので、毛髪そのものがイキイキとした印象を与えます。薬剤などをきちんと相談しながら、今の髪質に合ったパーマテクニックを賢く取り入れましょう」

 コロナ禍で制限のある生活が続く今こそ、ヘアスタイルを少しだけ冒険するのは、ちょっとした気分転換になる。スーツ姿にもカジュアルスタイルにもマッチする、今どきのツーブロックを楽しんでもらいたい。
(取材・文=小澤佐知子/美容ライター)

小澤佐知子/美容ライター

小澤佐知子/美容ライター

美容ライター。小学館や学研で外部編集者を経験した後、出産を機にフリーランスに転身。以後、美容ライターとして計50誌以上で取材・執筆を行う。
現在はヘアケア・ヘアデザインなど「髪」に関する記事の企画・構成・取材を中心に活動。雑誌や書籍以外にWebサイトでコラムやインタビューの連載を持つ。東京都内のヘアサロンの「ビジュアル監修アドバイザー」として非常勤役員も務める。

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