ビジネスジャーナル > ライフニュース > パン・冷食・惣菜、合成添加物使用か
NEW
小薮浩二郎「食品の闇」

食品メーカー顧問が警鐘…パン・冷凍食品・惣菜等、無制限に合成デンプン使用か

文=小薮浩二郎/食品メーカー顧問
【この記事のキーワード】, , ,
食品メーカー顧問が警鐘…パン・冷凍食品・惣菜等、無制限に合成デンプン使用かの画像1「Thinkstock」より

 加工デンプンは合成デンプン、すなわち合成添加物であることは前回述べました。

 加工デンプンとは、天然のデンプンにさまざまな化学薬品を混ぜ合わせて化学反応を起こし製造したものです。ですから、加工デンプンはれっきとした合成化学物質であり、合成添加物なのです。つまり合成保存料、合成着色料と同じ類のものです。

 加工デンプンには法令上使用基準が設定されていません。したがって、基本的にはあらゆる食品に使用できます。添加量の規制もないので、あらゆる食品に10%でも30%でも、いくらでも添加できるのです。具体的には、次のような食品に使用されています。

・麺類:うどん、冷凍うどん、そうめんなど

食品メーカー顧問が警鐘…パン・冷凍食品・惣菜等、無制限に合成デンプン使用かの画像2『長生きしたければ原材料表示を確認しなさい』(小薮浩二郎/ビジネス社)

 リン酸化デンプン、リン酸架橋デンプン、酢酸デンプン(アセチル化デンプン)、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプンなどの使用が考えられます。

 南洋産のデンプンで日本に大量に輸入されているタピオカデンプンというものがあります。このデンプンから合成されたヒドロキシプロピルデンプンは、冷凍・解凍による変化が少なく保水性もよいため、冷凍麺に使用されています。ソフトなのどごし、伸びにくいなどの作用もあります。

 冷凍やチルドの麺類には、アセチル化デンプンを10~20%添加すると経時変化が少なくなります。また、インスタント麺(油で揚げた麺)の場合には、お湯を加えた時、湯戻りが速くなります。

・パン類、洋菓子類

 ヒドロキシプロピルデンプン、酢酸デンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンなどの使用が考えられます。

冷凍食品類:小麦粉などデンプンを含むもの

 アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピルデンプンをモチ、大福、団子などに使用すると保水性がよくなり、冷凍保存ができるようになります。さらにソフト感が増し、モチモチした食感が得られます。

・スナック菓子類

 アセチル化リン酸架橋デンプン、酢酸デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプンなどの使用が考えられます。

・タレ、ソース類

 リン酸化デンプンなどの使用が考えられます。酸度の強い(=すっぱい)タレ、ソースにはアセチル化アジピン酸架橋デンプンが使用されます。

小薮浩二郎/食品メーカー顧問

小薮浩二郎/食品メーカー顧問

1945年、岡山県生まれ。九州大大学院農芸化学専攻(栄養化学講座)修了。製薬会社の研究部門ほか、添加物開発の最前線で添加物研究に従事する。研究歴40年以上で、第一人者。現在は、食品会社の顧問、食品販売会社特別顧問(品質管理)に携わる。著書に「悲しき国産食品」「食品業界は今日も、やりたい放題」「食品選び・おとなの知恵 ちょっと高くても、コッチ!」など。

Twitter:@eQuqANeNct8MdU5

食品メーカー顧問が警鐘…パン・冷凍食品・惣菜等、無制限に合成デンプン使用かのページです。ビジネスジャーナルは、ライフ、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!