「東京駅周辺エリア」は休日の賑わいがカギ
オフィスビルの丸の内ビルディング、通称「丸ビル」は今年9月で建て替え後の開業から15年を迎えた。この丸ビルを筆頭に、この間の東京駅周辺の再開発によって建て替えられたオフィスビルは20棟以上に上る。
さらに八重洲方面では再開発計画が目白押しで、八重洲口前には3つの超高層ビルが建設される予定だ。27年に完成予定の「大手町二丁目常盤橋地区第一種市街地再開発事業」では、地上61階、高さ約390mのオフィスビルが建つ。完成すれば、大阪・阿倍野の「あべのハルカス」を抜いて日本一の高さとなる。
また、長らく修復・改装工事が続けられていた東京駅も、丸の内駅前広場の整備工事を残すのみとなっている。
「丸の内エリアは不動のオフィス街。開発が進むにつれて、魅力はさらに増すと思います。三菱地所が『丸の内再構築』を打ち出しており、商業施設などの充実によって休日も賑わうようになるかどうかがカギになりそうです」(同)
都内の「五輪関連エリア」はインフラがパンク?
名物のイチョウ並木、そして日本のスポーツの聖地として知られる明治神宮外苑も、新国立競技場の建設に伴って再開発が進められている。
また、ほかの東京五輪関連施設でいえば、晴海に建設される五輪選手村が五輪開催後に5650戸のマンションとして売り出される予定だ。
しかし、長嶋氏は「神宮外苑エリアは施設が新しくなるだけなので、特に大きな変化はないでしょう」と語る。
「ただし、晴海を含めた湾岸地区については、選手村だけでなく多くのタワーマンションなども建設が予定されているので、都心で働くニューファミリーの需要が高いと思います」(同)
需要があるなら再開発は成功となるはずだが、急激に人口が増えると周辺の生活インフラがパンクしてしまうリスクもある。
「湾岸地区は駅などの整備・増築が遅れているので、すでに通勤ラッシュ時の混雑などが問題になっています。また、保育施設や学校といった子育て関連の施設不足も指摘されており、そうした不安が払拭されるかどうかがポイントになるでしょう」(同)
「虎ノ門エリア」は超高層ビル3棟が立ち並ぶ
虎ノ門周辺では、森ビルの虎ノ門ヒルズ 森タワーの隣接地に超高層ビル3棟が建設される予定だ。
その3棟は、それぞれ「(仮称)虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」「(仮称)虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」「(仮称)虎ノ門ヒルズ レジデンシャルタワー」と名付けられ、「ステーションタワー」は20年に開業予定の東京メトロ日比谷線の虎ノ門新駅(仮称)と一体で開発中。「ビジネスタワー」は地下3階、地上36階のオフィスビルで、住居棟となる「レジデンシャルタワー」では約550戸の住宅が供給されるという。