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ほかにも、神谷町駅に近接した約20万平方メートルのエリアには、森トラストが国家戦略特別区域の特定事業として進める「東京ワールドゲート」が建設される予定で、「国際都市機能の中枢を担う」と鼻息が荒い。
「東京の摩天楼都市化を目指す森ビル肝煎りの大規模開発で、オフィスとしての魅力は十分ですが、問題は住まいとしての魅力です。『虎ノ門で暮らす』という魅力をどのように創出するかが、現時点では未知数です」(同)
03年に開業した六本木ヒルズを筆頭に、かつて森ビルが進めた六本木の再開発事業は「ヒルズ族」と呼ばれる富裕者層を生み出した。虎ノ門でも、その再現を狙っているのかもしれないが、いきなり富裕層が急増するとも思えない。
再開発が終わってみたら、「住んでいるのは中国人ばかり」という別の意味での「国際都市」になっている可能性も捨てきれないのだ。
この虎ノ門周辺に限らず、何千億円もかけた再開発の成否を判断するには、数十年単位の時間が必要だ。ただし、“五輪バブル”の揺り戻しが直撃すれば、開業当初から閑古鳥が鳴くという事態もあり得るのかもしれない。
(文=ソマリキヨシロウ/清談社)
●取材協力/長嶋修(ながしま・おさむ)
不動産コンサルタント/さくら事務所会長
「不動産コンサルタント 長嶋 修 公式ホームページ」
1999年、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社「株式会社さくら事務所」を設立、現会長。「中立な不動産コンサルタント」としてマイホーム購入・不動産投資など不動産購入ノウハウや、業界・政策への提言を行う。著書・メディア出演多数。
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