「プレコール」「ルルアタックFXa」等のピリン系が心配なら「コルゲンコーワIB2」がある
ほかにもあるのですが、これだけ覚えておけば大丈夫です。総合感冒薬の「プレコール」や「ルルアタック」は大きく陳列されていることがありますが、解熱鎮痛薬の「サリドン」シリーズや「セデス・ハイ」シリーズは大きく陳列されていません。サリドン信者やセデス・ハイ信者でないと、この薬の存在を知らないと思います。ピリン系が使えない方は、ここに挙げてあるもの以外を買って飲めばよいのです。
私が薬剤師になった頃は、1日2回服用するかたちの風邪薬が「プレコール持続性カプセル」しかなかったので、副作用リスクがあるものの同薬品を紹介していました。現在は非ピリン系の「コルゲンコーワIB2」があるのでこちらを紹介しています。ピリン系薬のイメージがあまりにも悪いので、無理して使うことはないと思います。
イソプロピルアンチピリンの副作用
「平成23年(2011年)度 薬事・食品衛生審議会」(同年6月23日)の医薬品等安全対策部会安全対策調査会(第2回)において、イソプロピルアンチピリンの副作用報告が出ています。以下、この副作用報告に沿って説明します。
発売開始から2010年12月末までの間に、「クリアミン配合錠」「SG配合顆粒」「セデスG」の3種の医療用医薬品において、どの副作用が何件あったかを集計しました。「セデスG」は今は販売されていない薬ですが、長年にわたってメジャー薬だったのでこの集計に入っています。「クリアミン」には死亡例はありませんでしたが、「SG」には死亡例が1例ありました。「セデスG」の死亡例は11件ありました。ピリン系といえば発疹の副作用が有名ですが、「クリアミン」で3件、「SG」で16件、「セデスG」で30件ありました。肝臓機能障害の副作用は、「クリアミン」で6件、「SG」で7件、「セデスG」で22件ありました。副作用で気をつけたいアナフィラキシーショックですが、「クリアミン」で1件、「SG」で6件ありました。どちらの薬も死には至っていません。
「セデスG」の配合成分を改良した「SG配合顆粒」は、副作用の件数自体は少なくなっているのがわかります。この報告書の結論は、添付文書にすべて記載されている副作用なので、今以上に注意をすることはないということでした。
(文=小谷寿美子/薬剤師)