(7)クライミング
椅子や階段、ジャングルジム、木……と、子どもの多くは幼い頃から理由なく高い所に登りたがる。本能ともいうべきその欲求は、ロッククライミングなどのスポーツとして確立されている。小学生にもなると屋外に存在する自然の岩にも挑戦が可能となるが、まずは室内につくられた人工的な壁を登るボルダリングがいい。落ちても危険性が極めて少ないので、気軽に挑戦が可能だ。
※対象目安はロッククライミングが小学生から。ボルダリングは4歳から。
(8)ツリークライム
誰もが体験をしたことがあるであろう木登り。それを専用のロープなど、特殊な装備を駆使して登っていくという新しい木登りがある。「ツリークライミング」や「ツリークライム」「ツリーイング」などとも呼ばれ、子どもから大人まで楽しくできるものだ。通常の木登りでは考えられないような大きな木にも登ることが可能で、なかには木の上に設置されたハンモックに揺られることもできる。木の上に到着すれば、気持ちの良い達成感を味わえること間違いなしだ。
※対象目安は小学生から。
(9)マウンテンバイク
身近な乗り物である自転車だが、林道や山道、未舗装路を走ったことがある人は多くはないのではないだろうか? MTB(マウンテンバイク)はその名の通り、山を走る目的でつくられたもの。この自転車にまたがれば、オフシーズンのスキー場や山の麓など、多くの場所を走ることができる。砂利道やぬかるんだ土の上、地面から顔を出す大きな木の根っこなどの路面状況に応じて、ペダルを漕いだりブレーキを握ったりという操縦の面白さ、そして自然の中を疾走する楽しさを体験してみよう。
※対象目安は小学生、身長120cmから。
(10)カヌー/カヤック
パドルを持つ自らの力で水の上を進むカヌーやカヤック。体験できる場所は、海、湖、川と多岐にわたる。エンジンがついていないので、スクリューで水面下の植物を傷付ける危険性や、エンジン音で動物を脅かすこともない乗り物だ。パドルの使い方に慣れてしまえば、前後左右、好きなように動けるようになる。カヌーやカヤックでしか行くことができない場所へと訪れれば、まるで探検家になったような気分になるだろう。
※対象目安は4歳頃から。
(11)天体観測
「早く寝なさい」ではなく、「しっかりと目に焼き付けなさい」と子どもに言えるような夜はいかがだろうか? 天体観測と名が付く夜ならば、少々の夜更かしもたまにはいい。夜空を埋め尽くす無数の星、流れ星、天の川……。見事なまでに美しく見える満天の星を親子で見つめるひとときは、必ずや素敵な思い出となるだろう。都市部から少し離れただけでも見られる星の数は一気に増えるが、長野県南牧村、沖縄県石垣市、岡山県井原市美星町といった「日本三選星名所」をはじめ 、星空が特に美しい場所を訪れよう。都市部に暮らしている人であればなおのこと、その美しさに驚くことだろう。
※対象目安は特になし。
(12)キャニオニング
英語で渓谷を意味するcanyon(キャニオン)。そこに流れる川をボートや浮き輪などを使わずに、体ひとつで下っていくアクティビティがキャニオニングと呼ばれるものだ。岩場を降りたり、滝の裏側を覗いてみたり。ときには天然のウォータースライダーを滑ったり、天然のプールで浮いてみたりと、その場所特有の地形を楽しめる。また日本発祥で「シャワークライミング」というものもあり、こちらは上流に向かって川を上っていくというもの。頭から足の先まで、全身がびしょ濡れになるので、暑い時期には特に最高の爽快感を味わえる。
※対象目安は小学生、身長120cmから。
上に紹介したアクティビティのなかで、「体験してみようかな」というものがあれば、ぜひとも住んでいる地域名とアクティビティ名で検索してみてほしい。意外にも近場にあることもあるし、一方で泊まりがけでなくては行けないものもある。まずはその場所を調べ、子どもの年齢や持ち物などの詳細を確認したら、あとは体験するのみ。その一歩こそが、親子の人生を豊かにする一助になるだろう。
(文=多賀秀行/フリー編集者、宿「ANCHOR SITE」オーナー)