体感温度を下げ、熱帯夜を快適に過ごすためのポイントは「湿度」
また、身体に優しく冷房を使うためのポイントも聞いた。
「温度の調節も大事ですが、温度を下げ過ぎればそれだけ体調を崩すリスクも高まります。そこで注目していただきたいのが、湿度を調節することで体感温度を下げることです。ただでさえ日本の夏は高温多湿な気候なうえ、梅雨ともなると湿度は80~90%にもなるため、実際の気温以上に蒸し暑く感じられるでしょう。ですから、エアコンの除湿機能などを活用して湿度を調節すれば、冷房の設定温度を下げずとも涼しく感じられるのです。
また、湿度の調節は熱帯夜を乗り越えるのにも効果的です。人間は入眠時に寝汗をかいて体温を下げるのですが、熱帯夜の寝苦しさはこの寝汗をスムーズに除去して体温を下げられないことに起因します。なので除湿によって寝汗が乾きやすい状態にしておけば、熱帯夜であっても快眠ができるようになります。
もちろん除湿のしすぎも体にはよくないので、50~60%くらいを目安にして湿度を調節していただければ、冷房の設定温度を下げ過ぎることなく快適に過ごすことが可能となります」(同)
また、エアコンのプチトラブルといえば、暑がりの人と寒がりの人によるリモコンの奪い合い。特にオフィスなどではそれがもととなり、男性社員と女性社員の対立が生まれるといったケースもあるが、何かうまい解決法はないのだろうか。
「一般的には寒がりの方がひざかけやカーディガンを用意するような対策が多いかと思いますが、暑がりの方は風を利用してみてはいかがでしょうか。先ほど湿度を調節して体感温度を下げる方法をご紹介しましたが、風にあたることでも体感温度は下げられます。小型の扇風機やサーキュレーター(送風機)を個別で用意するだけでも、冷房の温度を下げることなく充分涼しくなることは可能でしょう。とある企業では、真夏の外回りで火照った社員のために、冷房が強く効いた小部屋を用意することを検討していたそうなのですが、このようにクールダウンするためのスペースを用意するというのも有効だと思います」(同)