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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

疲れやすい、集中力がない…副腎疲労の可能性、コンビニ食主体で悪化の恐れ

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事
疲れやすい、集中力がない…副腎疲労の可能性、コンビニ食主体で悪化の恐れの画像1「Getty Images」より

 本連載前回記事では、塩を摂ることの重要性について書きましたが、今回はその続編のような内容です。

 体内の塩分調整をしている臓器としては、まずは腎臓を思い浮かべますが、もうひとつ重要な臓器があります。それは「副腎」です。

 副腎は、重さでいうと、わずか5グラム程度しかない小さな臓器で、腎臓の上部前方にあります。腎臓は左右にひとつずつありますから、副腎もまた、私たちの体には2つあります。副腎皮質と副腎髄質という部分に分かれていて、それぞれ働きが違います。しかし、どちらもホルモンを分泌するので、いわゆる内分泌器官という部類に入ります。

 実は今、この副腎にダメージを受けている人がとても増えてきています。いわゆる「副腎疲労」です。「アドレナル・ファティーグ」ともいわれます。

疲れやすい、集中力がない…副腎疲労の可能性、コンビニ食主体で悪化の恐れの画像2

 筆者はずいぶん前からこの副腎疲労に関心を持ち、講座の中でも取り上げて、そうならないように警鐘を鳴らしてきましたが、その声が届いたのはごく一部の方にのみでした。その間にも副腎疲労に陥る人の数は増え、今やもう看過できないところまで来ています。これからも増え続けると思われます。

 副腎疲労が起き、それが慢性化していく原因は食生活にあります。食生活を改善しない限り、副腎疲労は良くなりません。

 では、副腎疲労とはいったい、どういうものなのでしょうか。すでに1990年代にアメリカのジェームズ・L・ウイルソン医師によって提唱されていましたが、同氏の著書『アドレナル・ファティーグ』によると症状としては、「疲れやすい」「朝起きられない」「寝ても疲れがとれない」「塩からいものが欲しくなる」「性欲低下」「ストレスに対処できない」「病気やけが治るのが遅い」「立ちくらみ」「うつ」「何をしても楽しくない」「食事を抜くと悪化する」「PMS(月経前症候群)の悪化」「我慢ができなくなった」「集中力がない」「記憶力が落ちる」と、多岐にわたります。

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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